現地視察に同行 記者が「少しがっかり」した首相の言葉

  • はてなブックマーク
  • メール
  • 印刷
入所者14人が犠牲となった特別養護老人ホーム「千寿園」を視察する安倍晋三首相(中央)=熊本県球磨村で7月13日午前11時27分、畠山嵩撮影
入所者14人が犠牲となった特別養護老人ホーム「千寿園」を視察する安倍晋三首相(中央)=熊本県球磨村で7月13日午前11時27分、畠山嵩撮影

 記録的な豪雨に見舞われ、1級河川・球磨川の氾濫などで甚大な被害を受けた熊本県南部。安倍晋三首相の現地視察に同行すると、眼前に広がる光景が4年前と重なった。2016年、岩手県岩泉町で見た台風10号の豪雨被害だ。当時は取材で走り回ったが、首相も岩泉町を視察している。二つの被災地を見て、首相はどのように感じたのか。その思いを聞かずにはいられなかった。

 鹿児島空港からマイクロバスに乗り、九州自動車道を経由して人吉市内のインターチェンジで一般道に入る。首相の車列の後に付いて、20人以上が犠牲となった球磨村に向かうと、沿道の電柱には、あふれ出た川の水が運んで来たであろう流木が何本ももたれかかり、「熊本89キロ 八代47キロ」と記された道路標識が根元から折れ曲がり垂れ下がっていた。青々としていたはずの田んぼは泥に覆われている。家屋の2階にはあるはずの窓がない。車窓の外に広がる光景が、豪雨と氾濫のすさまじさを物語っていた。

 首相が最初に向かったのは、入居者14人が死亡した球磨村の特別養護老人ホーム「千寿園」だった。当初は車で施設を訪れる予定だったが、道路状況が悪いため、急きょ約350メートル離れた国道沿いに車を止めて歩くことになった。バスを降り、曇り空の下、施設へと向かう。乾いた泥が路面を覆い、道路脇にはがれきが積み上げられている。道路沿いの家屋は倒壊したり、浸水被害を受けたりし、被災した住民が疲れた表情で…

この記事は有料記事です。

残り1119文字(全文1725文字)

あわせて読みたい

注目の特集