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英国旅券取得が急増 「残りたい、でも若い世代は…」苦悩の香港人

海外に移住すべきか--。林霆聡さんの心は揺れている=香港で2020年7月2日、福岡静哉撮影

 「早く英国海外市民(BNO)旅券を手に入れなければ」。6月末、香港国家安全維持法(国安法)が間もなく成立するとのニュースを聞き、香港の競馬専門紙副編集長、林霆聡(りんていそう)さん(38)はすぐパソコンで英政府のサイトにアクセスし、BNO旅券の申請用紙を印刷。必要事項を記入し速達で移民政策を所管する英内務省に送付した。

 1997年6月まで英国の植民地だった香港。BNO旅券は同月までに生まれた人のみ申請でき、持っていればビザなしで英国に6カ月滞在できる。林さんは、香港が中国に返還される前の小学生だったころ、家族で海外旅行するため取得したが、失効していた。

 2019年6月に本格化した政府への抗議デモで、林さんは中心勢力である若者らを「いろいろな形で支援してきた」。9月にある立法会(議会)選への出馬を目指す民主派区議の手伝いもしている。

 国安法は「香港独立」や「革命」を主張する人物をターゲットにする。林さんがすぐ捕まるわけではないが、民主派への圧力が強まっているのを日々、肌で感じている。

 「すぐ撤去しろ」。今月4日、「光復香港 時代革命」(香港を取り戻せ 今こそ革命の時だ)というデモのスローガンを掲げていた別の民主派区議の事務所に警官隊が現れ、警告した。

 また、民主活動家らが書いた書籍の一部は、図書館から姿を消した。急速に統制が進む現状に林さんは「中央政府による弾圧は、これからひどくなるだろう。いきなり逮捕されないとも限らない。まず自分の身の安全を守ることを考えなければ」と話す。

 移住先の第1候補は台湾だ。投資などの条件をクリアすれば受け入れてもらえるうえ、英国と違い台湾には複数の友人もいる。それでもBNO旅券の申請をしたのは「選択肢は一つでも多い方がいい。いわば『命綱』です」と話す。

 移住する時は…

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