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日本語指導が必要な児童生徒調査、20年度は見送り 新型コロナで文科省

横浜市教委が実施している日本語指導が必要な子どものための授業。文科省の調査が見送られる中、横浜市教委は「把握が必要」として、独自調査を進めている=横浜市中区で2020年6月11日午前9時25分、成田有佳撮影

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 新型コロナウイルスの感染拡大を受け、文部科学省は2020年度に予定していた日本語指導が必要な児童生徒に関する調査を見送ることを決めた。政府が6月に「外国人の子どものために日本語指導充実などの施策を講じる」との基本方針を閣議決定したばかりで、専門家は「日本語指導を必要とする子どもの実態がつかめなくなる」と指摘している。調査は21年度に延期予定という。【成田有佳】

 見送ったのは、1991年度から始まった「日本語指導が必要な児童生徒の受入状況等に関する調査(日本語指導調査)」。現在は2年に1回、47都道府県と政令市、中核市の教育委員会を通じ、公立の小中学校と高校、特別支援学校などに通う日本語指導が必要な児童生徒(日本国籍も含む)の人数や母語などを調べている。近年は外国人労働者の増加に比例して、日本語指導が必要な児童生徒数も増えており、前回の18年度調査では5万1126人と16年度調査より7179人(16・3%)多くなった。

 日本語指導が必要な児童生徒は、授業態度や来日後の期間を基準にした校長の判断の他、文科省などが開発した複数日にわたる対話形式の「DLA」と呼ばれる評価などを用いて判定。自治体を通じて文科省が集計する。文科省は調査を「日本語指導が必要な児童生徒の教育の改善充実に役立てる」と位置づけており、実態を把握できなければ基本方針に定めた「日本語指導充実などの施策」に遅れが出る可能性もある。

ボランティアの教科指導を受ける中国から来た女子中学生(右)。新型コロナウイルス感染拡大による臨時休校で、家族と中国語で話す時間が増え、日本語の動詞の使い方が「ちょっと分からなくなった」と打ち明けた=東京都新宿区で2020年6月16日午後5時57分、成田有佳撮影

 文科省の担当者は、調査を見送った判断について「教委や学校の負担を考慮した。国の調査がなくても独自に把握する自治体もある」と説明する。これに対し、18年度調査で日本語指導が必要な児童生徒が4586人確認され、文科省調査がない年度は独自に調べていた東京都教委の担当者は「(本来なら文科省調査が実施される)20年度にどうするかは検討する」と述べるにとどめた。

 基本方針の閣議決定を受け文科省は7月、全国の自治体に「外国人の子どもの就学促進・就学状況把握」などを求める指針を通知した。宮城教育大の市瀬智紀教授(多文化教育)は「国が長年続けた調査をしないのに、自治体が指針を実行に移せるのか。新型コロナ禍で帰国できない子どももおり、だからこそ20年度の実態把握が必要。基準日をずらしてでも年度中の実施を検討すべきだ」と話す。

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