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三浦 天紗子・評『いのちの停車場』南杏子・著

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救えないいのちを静かに見送るために

◆『いのちの停車場』南杏子・著(幻冬舎/税別1600円)

 この夏、著者の第2作『ディア・ペイシェント 絆のカルテ』がドラマ化される。現役医師でもある作家の目を通して描かれる物語からはいつも、どう生きるかだけではなく、どう人生を終(しま)うかも大切なことだと思い知らされる。『いのちの停車場』は在宅医療や終末期医療、積極的安楽死の問題などをモチーフにした心震える物語だ。

 都心の救急救命センターをある事情で退職した62歳の白石咲和子は、故郷・金沢に戻り、在宅医療専門の「まほろば診療所」を手伝い始める。救急医療のベテランである咲和子は、在宅医療など苦もなくこなせると思っていたが、初日から在宅ならではの難しさに直面し、その自信はもろくも崩れ去る。治療や介護の手順が決まっている病院や施設と違い、在宅では当事者の生活を尊重しながらケアを進めなくてはいけない。費用面も介護者…

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