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平松 洋子・評『テレビの荒野を歩いた人たち』ペリー荻野・著

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道なき道を切り開いてきたレジェンドたちの熱き肉声

◆『テレビの荒野を歩いた人たち』ペリー荻野・著(新潮社/税別1600円)

 あの頃のテレビを語れば、時代の証言とともに濃い人間味が立ち上がる--あらためて驚かされ、本書が孕(はら)む熱量に引き込まれた。

 タイトル「荒野」は、テレビの黎明(れいめい)期のこと。テレビ文化に造詣の深い著者の目に、放送がスタートした昭和28年からの黎明期は、ある種の野蛮さや精悍(せいかん)なエネルギーが横溢(おういつ)する荒野として映った。そこを先陣を切って駆け抜けたテレビのプロ12人。目配りの利いた人選にも、テレビ文化とテレビ人へのリスペクトが詰まっている。

 冒頭に登場するのは1926年生まれの石井ふく子。「東芝日曜劇場」「肝っ玉かあさん」「ありがとう」「渡る世間は鬼ばかり」ほか大ヒット作を手掛け、現在、現役最高齢のプロデューサーでもある。レジェンドの口から語られる生放送時代のエピソードはめっぽう面白いのだが、なるほど、と膝を打ったのは、ドラマ化許諾に際して生まれた作家との結びつき。三島由紀夫、室生犀星、あるいは昭和36年にスタートした「山本周五郎ア…

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