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第103回全国高校野球選手権

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球児たちの本音

/中 栃木工 水浸し、言葉失う 支援にプレーで恩返し /栃木

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泥の中から見つかったボールで、トスバッティングする部員たち=栃木市岩出町の栃木工で2020年7月8日午後5時17分、増田恵実撮影
泥の中から見つかったボールで、トスバッティングする部員たち=栃木市岩出町の栃木工で2020年7月8日午後5時17分、増田恵実撮影

 「もう野球ができないかもしれない」

 2019年10月13日朝、県立栃木工の三塁手、関口颯汰主将(3年)のスマートフォンに、日向野久男監督(58)から数枚の写真が送られてきた。学校は水浸しで、グラウンドは一面、茶色い泥水につかっていた。関口主将は胸が苦しくなった。

 前日の12日夜、台風19号の影響で校舎北東側を流れる永野川の堤防が決壊。川の土手に一番近いグラウンドは冠水し、流れてきた大量の泥と稲刈り後のわらで埋まった。幸い部員の家に被害はなかったが、校舎は1階部分が完全に浸水し、22日まで休校となった。

 1週間後、関口主将はチームメートと初めて学校に行った。変わり果てたグラウンドを見て、改めて被害の大きさを実感した。「今やれることをやっていこう」。隣で言葉を失う部員に、そう声をかけるのが精いっぱいだった。

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