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社説

米軍基地のコロナ感染 政府の危機感が足りない

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 沖縄県内の米軍基地で、新型コロナウイルスの感染が広がっている。感染者数は100人に上り、ほとんどが先週から今週にかけて確認された。

 宜野湾市の米軍普天間飛行場では71人、金武町などにあるキャンプ・ハンセンでは22人の感染者が出た。今月4日の米独立記念日やその前後に、基地内外ではパーティーが開かれていたという。

 米国は感染者数、死者数とも世界最多で、日本政府が入国拒否の対象にしている。ただし、米軍関係者は日米地位協定により、日本の検疫を受けることなく基地を通じて自由に出入りできる。在日米軍基地を水際対策の抜け穴にしてはならない。

 日米両政府は、米軍の医療機関や地元の保健所が感染症の発生を確認した場合、相互に通報し情報を共有することに合意している。

 米軍は県に対し、感染者数は伝えている。だが、居住地や直近の行動履歴など感染拡大を防ぐために必要な情報は十分に提供していない。どのような情報を、どのように提供するかは米軍側に委ねられている。

 これでは、地元自治体が有効な対策を実施できない。米軍関係者と日常的に接している住民らの安全や命を脅かすことになる。

 日本政府の対応は遅い。河野太郎防衛相は14日になって、米軍の感染拡大防止策に「いくつか問題がある」と述べ、対策の徹底を求めたことを明らかにした。住民への情報公開も検討するという。

 そもそも、米国防総省は作戦上の理由から、基地や部隊での感染状況を個別に公表しない方針だ。これに基づき、在沖縄米軍も県に感染者数を公表しないよう求めてきたという。

 しかし、在韓米軍は、軍関係者の感染が判明した場合、どのような経緯で入国し、感染が判明したかを発表している。同様の対応を在日米軍に要請すべきだ。

 山口県の岩国基地でも複数人の感染者が確認された。米軍基地がある他の自治体も感染拡大に危機感を募らせている。

 日本政府は対応を自治体任せにしてはならない。米軍が必要な情報を速やかに提供し、地元自治体と協力するよう米国政府にさらに強く求めるべきだ。

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