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論の周辺

物を書く人間の責務として

村上春樹「猫を棄てる」

 7月上旬、作家の村上春樹さん(71)に会い、長時間インタビューすることができた。話題はラジオのディスクジョッキー(DJ)体験に始まり多岐にわたったが、ここでは4月刊行のエッセー『猫を棄(す)てる』(文芸春秋)をめぐっての発言を紹介したい。2019年に雑誌発表され、08年に90歳で亡くなった父親の従軍歴などプライベートな内容が注目を集めた。

 70歳を機にDJなど新たな試みを始めたという村上さんは、この自伝的文章について次のように語った。「今、書いておかないとまずいなと考えました。正直言って、身内のことで、あまり書きたくなかったんですけど、書きのこしておかないといけないものなので、一生懸命書いたんです。物を書く人間の一つの責務として」

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