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余録

羽生善治さんが中学3年で

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 羽生善治(はぶ・よしはる)さんが中学3年でプロの棋士になってほどなく、その所作があれこれとりざたされた。代表的なのが、眼鏡の奥から対戦相手をにらむような鋭い視線を放つ「羽生にらみ」で、失礼だという先輩もいた▲当人によれば、棋士になって1年を経たころから対局が増えて体力的・精神的にくたくたになり、神経質になっていたという。対局前に相手の指し手についてあれこれ考え不安になる。羽生にらみも、その表れだったのかもしれない▲相手にとらわれるより「自分」の作戦や型を充実させよう――ふっきったのは20歳過ぎてだった(「直感力」PHP新書)。永世7冠の資格を持つ羽生九段でも10代は「模索の時代」だった。だが今や17歳11カ月の棋聖の誕生である▲高校生の藤井聡太(ふじい・そうた)七段が棋聖戦第4局で渡辺明(わたなべ・あきら)棋聖を破り、史上最年少のタイトル保持者となった。ちなみに渡辺さんも中学生でプロ棋士になった先輩で、今は棋王と王将位も持つ実力トップ棋士、まさに驚きのタイトル奪取である▲第2局の中盤、金を盤中央の攻めに用いた妙手が人工知能(AI)をも超えたと棋界を騒然とさせた藤井さんだ。王位戦での連勝も含め、タイトル戦での5勝1敗の戦績は、一度に壁を二つも三つも破ったような力強さに満ちている▲聞けばコロナ禍で対局のない50日間、巣ごもりで自らの将棋を振り返ったという。授かった時間を「自分」の充実に注ぎ、「模索の時代」を一気に踏破した新棋聖の目にはすでに次の高峰が映っていよう。

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