メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

社説

香港の立法会選挙 民主派の参加が不可欠だ

[PR]

 9月に実施される香港立法会(議会)選挙の立候補受け付けがあすから始まる。国家分裂や政権転覆を禁じる香港国家安全維持法(国安法)の施行後、初の選挙だ。中国と香港政府は民主派への批判を強めているが、弾圧するような選挙への介入はやめるべきだ。

 立法会は任期4年で定数70。直接選挙枠と、業界関係者が投票権を持つ職能別選挙枠にそれぞれ35議席が割り当てられている。

 親中派に有利な制度で、2016年の前回選挙では親中派が40議席を得たのに対し、得票率で上回る民主派は30議席にとどまった。

 民主派は昨年11月の区議会(地方議会)選で圧勝した流れを受け、今回選挙で立法会の過半数を獲得し、林鄭月娥(りんていげつが)行政長官を辞任に追い込むことを目標にしている。

 だが、国安法施行で民主派への圧力は高まっている。香港政府は長官辞任を狙う民主派の目標自体に香港政府転覆の疑いがあると警告している。

 民主派は候補者共倒れを避けるために独自に予備選を実施し、予想を上回る60万人以上が投票に参加した。穏健派より急進派に支持が集まったこともあり、中国政府は予備選実施自体を「国安法への挑戦」と批判している。

 前回選挙では一部の急進派が「香港独立を主張している」として立候補が認められなかったり、当選後に議員資格を取り消されたりした。今回、民主派排除の動きがさらに強まる可能性も高い。

 香港では言論統制が急速に進む。「香港独立」と書かれた旗を所持しただけで逮捕されたケースもある。図書館では民主派の著作の閲覧が禁じられた。

 香港に高度な自治を認めた「1国2制度」が形骸化するという香港住民や国際社会の懸念が早くも具現化した形だ。

 米国は香港への優遇措置を廃止するなど国安法に対する制裁を強化している。民主派候補が選挙に参加できないことになれば、米中対立はさらに深まるだろう。

 中国政府は、国安法制定は香港の安定、繁栄のためだと強弁してきた。だが、日本や欧米の協力がなければ香港の地位低下は避けられない。公正な選挙を実施し、「1国2制度」の維持を求める市民の声に耳を傾けるべきだ。

おすすめ記事
広告
毎日新聞のアカウント
ピックアップ
話題の記事

アクセスランキング

毎時01分更新

  1. “お蔵入り”大阪市長の肝煎り学校のフェースシールド 医療界が止めた理由

  2. 奈良の感染者の26% コーヒーの香り、カレーの味分からず 発熱から数日後

  3. 療養ホテル、沖縄は1カ月半「ゼロ」 菅氏が批判、知事は「予想より早く感染者増えた」

  4. ベトナムで感染力強い型のコロナ流行か 首相「拡大防止へ重要な時期」

  5. ORICON NEWS 香取慎吾「こんなにテレビ出れないか」独立から3年のホンネ 草なぎの大河出演にガッツポーズ

編集部のオススメ記事

のマークについて

今週のおすすめ
毎日新聞社は、東京2020大会のオフィシャルパートナーです