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崩れる1国2制度・市民はいま

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かばんにいつも「五星紅旗」 中国を嫌悪していた香港人が愛国者になるまで

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朱偉強さんはかばんの中から中国国旗「五星紅旗」を取り出し、誇らしげに掲げた=香港で2020年7月4日、福岡静哉撮影
朱偉強さんはかばんの中から中国国旗「五星紅旗」を取り出し、誇らしげに掲げた=香港で2020年7月4日、福岡静哉撮影

 香港の衣料品会社員、朱偉強さん(57)は、かばんにいつも中国国旗「五星紅旗」を入れている。「どこにいても掲げられるように」との思いからだ。

「香港人だ」貧しい国実感

 選挙結果などから、香港の民意は伝統的に「親中派4割、民主派6割」とされる。人口約750万人のうち、親中派は香港返還後に中国本土から移住した約100万人や、ビジネスで中国とつながりの深い市民が、その中核をなすと言われる。そんな中でも朱さんは、とりわけ強烈な「愛国者」と言えるだろう。

 だが以前は、中国に嫌悪感すら抱いていたという。1950年代に中国南部・広東省からやって来た両親の間に香港で生まれた。10代だった70年代、広東省の親戚の家に行く時は、いつも米、油、麺などを持たされた。「当時は(食料や衣類などの)物資の持ち込みに制限があったので、税関で見つからないようズボンを4着も重ねばきしたものだ」と笑う。

 できるだけ多くの物資を運び、親戚の家計を助けた。「資本主義の豊かな香港」と「共産主義の貧しい中国」を実感した。

 10代の頃、家族で米国を旅行したと…

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