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特定の民族や人種など人の尊厳を傷つけるヘイトスピーチは、どんな形であっても許されません。なくすためにはどうする?

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匿名の刃~SNS暴力考

100万回殺害予告受けた弁護士が加害者に面会して目にした「意外な素顔」

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インタビューに応じる唐澤貴洋弁護士=東京都港区で2020年6月24日午後0時51分、牧野宏美撮影
インタビューに応じる唐澤貴洋弁護士=東京都港区で2020年6月24日午後0時51分、牧野宏美撮影

 「自分を苦しめたのはどんな人物で、何のためにやったのか」。業務上の書き込みをきっかけにインターネット上で「炎上」し、約100万回に及ぶ殺害予告など壮絶な被害を受けた唐澤貴洋(たかひろ)弁護士(第一東京弁護士会)は、複数の加害者を特定し、面会した。見えてきたのは、攻撃的な投稿とは結びつかない、意外な姿だったという。その実像と動機とは――。【牧野宏美/統合デジタル取材センター】

掲示板の削除要請がエスカレート

 ――炎上のきっかけは2012年3月、ネット掲示板「2ちゃんねる」上で、誹謗(ひぼう)中傷を受けた依頼者のために、自身の名前を出して書き込みの削除要請をしたことでしたね。

 ◆依頼者は少年で、掲示板に学校の成績をさらされるなどの嫌がらせを受け、相談を受けました。当時は削除要請や発信者情報開示の依頼は掲示板上で行うことになっており、内容がすべて公開されている状態でした。そこで名前を出していた私が標的になったようです。要請して数時間後に掲示板を確認すると、既に私をやゆ、中傷するような書き込みが多数あって、何だろうと驚きました。例えば、私がツイッターで今後の仕事のためにとフォローしていた著名人などをチェックして、そこにアイドルがいたから「アイドルオタク」と書いてレッテル貼りをする、というようなものです。当時、まだ「炎上」という言葉も定着していませんでしたが、荒れているなと危機感を覚え、ツイッターを鍵付きにして見えないようにしました。そうすると、掲示板で「本人が見てるぞ」とさらに盛り上がってしまい、投稿が止まらなくなりました…

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