- ツイート
- みんなのツイートを見る
- シェア
- ブックマーク
- 保存
- メール
- リンク
- 印刷

日本で声を上げるアスリートはなぜ少ないのだろうか。新型コロナウイルスの感染拡大を不安視し、東京オリンピック・パラリンピック開催に異を唱えて延期の流れを作った世界各国の選手たち。米国の黒人差別に抗議の声を上げたのも海の向こうにいる選手たちだった。あるアスリートに話を聞くと、日本人に足りないものが見えてきた。【田原和宏】
金髪で個性的なヘアスタイル、おしゃれなファッション。印象的なのは外見だけではない。ネット交流サービス(SNS)のメッセージからは、社会や政治への強い関心をうかがわせる。空手のフィリピン代表として東京五輪出場を目指す月井隼南(じゅんな)選手。日本人の父とフィリピン人の母を持つ28歳は「世界を知ると、自分の悩みなんか小さなものに思えます。世界にはもっと頑張っている人々がいるんです」。
SNSには積極的に書き込む。国家安全維持法が施行された香港の人々を思い、「絶対にひとごとにしちゃいけない」と記し、「黒人の命は大切(BLM)」と人種差別反対運動を支持する。「一部の人々が声を上げるだけでは世界は変えられません。周りが気持ちをくみ取り、みんなが声を上げてこそ世界は変わるんです」
「ハーフであることを隠していました」
世界に目を向けるのは、自らのルーツに根ざした幼少期の体験が大きい。月井選手は母の国であるフィリピンで生まれ、3歳まで過ごした。その後、日本で暮らし始めたが、嫌な思いも味わう。「肌が黒い」「お前のお母さんの日本語はおかしい」。小学生の頃は学校で嫌がらせに遭った。ごみ…
この記事は有料記事です。
残り1092文字(全文1742文字)
時系列で見る
-
延期五輪の行方/下 「復興」から「克服」へ コロナが揺さぶる理念
748日前 -
宙に浮くパラテスト大会 高松市、代替開催名乗り
748日前 -
アスリート100人オンライン集結 25日から5日間 体験100種類以上
748日前 -
「1年もらった」前向きに なでしこ高倉監督、新星出現期待
748日前 -
東京の半年後に北京 パラ延期が直撃した夏冬「二刀流」アスリートの苦悩
748日前 -
東京オリンピック延期「1年もらった」 なでしこ高倉監督、身体強化に注力
748日前 -
行動が夢を叶える コロナ禍で考える五輪の価値=カヌー・羽根田卓也
748日前 -
オリンピック延期の追加負担 継続か撤退か 身構えるスポンサー
749日前 -
35歳に重すぎた「1年」 東京オリンピック延期で引退 あるベテランの決断
749日前 -
延期の東京オリンピック 私が来夏開催してほしいと言えない理由
749日前 -
パラリンピック400日前 1年かけ結果、次世代へ 車いすバスケ・藤本怜央(36)
749日前 -
延期五輪の行方/中 最高水準に疑問符
749日前 -
オリンピック簡素化どうなる コロナ猛威の前でも米テレビ局意向は「聖域」?
749日前 -
東京五輪パラ延期でテスト大会に暗雲 GoTo「あの街」で問題クリア?
750日前 -
オリンピック開催できても「金メダルの輝き」保てるか? 追い込まれる競技現場
750日前 -
東京五輪サッカー 観戦者をおもてなし ちぎり絵のうちわ、鹿嶋市に贈る 市民サークルが500本 /茨城
750日前 -
体操ニッポン大丈夫? 内村、鉄棒専念
750日前 -
延期五輪の行方/上 IOC 異論、影潜め 「準備継続」会長の意向強く
750日前 -
「全額押しつけられる」 コロナで「貯金」取り崩した都が恐れる五輪負担の高騰
750日前