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延期の東京オリンピック 私が来夏開催してほしいと言えない理由

空手のフィリピン代表として東京オリンピック出場を目指す月井隼南選手=埼玉県内で2020年7月13日午後6時29分、田原和宏撮影

 日本で声を上げるアスリートはなぜ少ないのだろうか。新型コロナウイルスの感染拡大を不安視し、東京オリンピック・パラリンピック開催に異を唱えて延期の流れを作った世界各国の選手たち。米国の黒人差別に抗議の声を上げたのも海の向こうにいる選手たちだった。あるアスリートに話を聞くと、日本人に足りないものが見えてきた。【田原和宏】

 金髪で個性的なヘアスタイル、おしゃれなファッション。印象的なのは外見だけではない。ネット交流サービス(SNS)のメッセージからは、社会や政治への強い関心をうかがわせる。空手のフィリピン代表として東京五輪出場を目指す月井隼南(じゅんな)選手。日本人の父とフィリピン人の母を持つ28歳は「世界を知ると、自分の悩みなんか小さなものに思えます。世界にはもっと頑張っている人々がいるんです」。

 SNSには積極的に書き込む。国家安全維持法が施行された香港の人々を思い、「絶対にひとごとにしちゃいけない」と記し、「黒人の命は大切(BLM)」と人種差別反対運動を支持する。「一部の人々が声を上げるだけでは世界は変えられません。周りが気持ちをくみ取り、みんなが声を上げてこそ世界は変わるんです」

「ハーフであることを隠していました」

 世界に目を向けるのは、自らのルーツに根ざした幼少期の体験が大きい。月井選手は母の国であるフィリピンで生まれ、3歳まで過ごした。その後、日本で暮らし始めたが、嫌な思いも味わう。「肌が黒い」「お前のお母さんの日本語はおかしい」。小学生の頃は学校で嫌がらせに遭った。ごみ…

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田原和宏

毎日新聞東京本社運動部。1972年、奈良県生まれ。教職などを経て2001年入社。06年からスポーツ取材に関わり、福岡、大阪勤務を経て13年から現職。16年リオデジャネイロ五輪では体操、卓球などを担当。東京五輪取材班キャップ。スポーツクライミングなど新競技にも注目する。職業病なのか、「おかしいやろ」が口癖。

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