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沼野充義・評 『丁庄の夢 新装版』=閻連科・著、谷川毅・訳

『丁庄の夢』

 (河出書房新社・3520円)

 現実とは思えないすさまじい出来事を描いた小説なのだが、じつは実話に基づいているという。しかし、悲惨きわまりない題材を描きながら、厳しい言論統制を撥(は)ね返すような強度をもった、芸術的な作品が生まれた。閻連科――作品が次々に発禁処分を受けながら、中国国内でなお旺盛に書き続ける作家である。

 『丁庄(ていしょう)の夢』の背景は、一九九〇年代に「売血」に人々が殺到した結果、エイズが大流行し、多数の死者を出した歴史的悲劇である。当時中国では輸血用の血液の不足を補うため、政府が「売血」を奨励したのだが、不衛生な採血方法のせいで人々は次々にHIVに感染したのだ。

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