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第103回全国高校野球選手権

第103回全国高校野球選手権大会(8月10~29日)の特集サイトです。

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甲子園交流試合・2020センバツ32校

第2日 第1試合 天理-広島新庄 みどころ

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 ◆第2日 第1試合 天理-広島新庄 8月11日 10:00

みどころ

 強打の天理を好左腕2人を擁する広島新庄がどう抑えるか。1球が勝負を決める白熱した展開になりそうだ。

 天理は昨秋の公式戦でレギュラー9人中7人が本塁打を放つなど、どこからでも一発が出る。注目は1番の下林源太。小柄だが積極果敢な打撃が持ち味で、長打力と確実性を兼ね備える。主将も務めるリードオフマンが手本を示せば、打線は一気に勢いづくだろう。

 チームの打点王・瀬千皓、182センチで長打が武器の山地裕輔らの前に走者をためて回したい。打撃戦に持ち込めば勝機は広がる。

 天理の中村良二監督が「塁に出たらコツコツとバントで進めて得点を取る。うちとは正反対のチーム」と見る広島新庄は、投手陣の踏ん張りが不可欠だ。秋田駿樹は直球に威力があり、課題の制球面のバラツキを抑えられれば簡単には打たれないだろう。同じ左でも、秋山恭平は制球力と切れで勝負するタイプ。異なる特徴を持つ2人の継投機もポイントになりそうだ。

 打線は3番・下志音が中心。1番・大可尭明、2番・瀬尾秀太の出塁が鍵になる。宇多村聡監督は「粘り強い攻撃で勝機をつかみたい」と話す。【石川裕士】

 ◆天理 奈良県・私立 全国大会出場回数 春24回/夏28回

強力打線の天理をけん引する下林=平川義之撮影 拡大
強力打線の天理をけん引する下林=平川義之撮影

強力打線、本塁打量産

センバツ交流試合に向けて練習に励む天理の選手たち=小宅洋介撮影 拡大
センバツ交流試合に向けて練習に励む天理の選手たち=小宅洋介撮影

 昨秋の奈良県大会は3位に甘んじたが、近畿大会の準決勝では昨夏の全国選手権覇者の履正社(大阪)、決勝では大阪桐蔭を撃破し頂点に立った。明治神宮大会では、初戦の2回戦で東北大会を制した仙台育英(宮城)を破り、準決勝では優勝した中京大中京(愛知)に9―10で敗れたものの大熱戦。並み居る強豪校相手に実力の高さを示してきた。

 強みは何といっても打力にある。昨秋の公式戦(12試合)で放った20本塁打はセンバツ交流試合出場校で最多。けん引役は、主将として精神的支柱でもある1番・下林源太(3年)だ。初球から打ちに行く積極性が持ち味の左の強打者は、ともにチームトップの打率5割2分3厘、5本塁打をマークした。4番・山地裕輔(3年)はパンチ力のある右打者。左のスラッガー、河西陽路(3年)は中京大中京戦で大会新記録の1試合3本塁打を放ち、右打者の瀬千皓(2年)はチーム最多16打点と勝負強く、打線に切れ目がない。

 投手陣の柱は、近畿大会で準決勝までの3試合に完投した右腕・庭野夢叶(3年)。直球を軸に効果的に変化球を操り、安定感がある。左腕の吉岡大誓(3年)も7試合に登板し経験値が高い。大阪桐蔭戦に先発して好投した大型右腕の達孝太(2年)、右横手の嶋田優心(3年)も控え、多彩な陣容だ。

 チームは3月のセンバツ中止決定翌日から「夏」を見据えて練習してきた。5月に全国選手権中止が決まり、中村良二監督は選手に休養を打診したが、「夏までは野球をやりきる」と信念を貫いてきた。強い気持ちを見せてきた選手たちに中村監督は「自分たちの野球をして、甲子園での一勝をつかみ取ってほしい」と期待を寄せる。【小宅洋介】

沿革

 1900年に天理教校として創立。野球部は01年に創部した。54年に甲子園へ初出場し、夏は86、90年に優勝、春は97年に制した。柔道やラグビー、ホッケーも強豪。OBに門田博光さん(元ダイエー)、関本賢太郎さん(元阪神)、柔道で五輪3連覇の野村忠宏さんら。奈良県天理市。

 ◆広島新庄 広島県・私立 全国大会出場回数 春2回/夏2回

伸びのある直球を武器とする広島新庄の秋田=手呂内朱梨撮影 拡大
伸びのある直球を武器とする広島新庄の秋田=手呂内朱梨撮影

両好左腕、守りの野球

3月限りで退任し、部員に別れを告げる広島新庄前監督の迫田守昭さん(右)=石川裕士撮影 拡大
3月限りで退任し、部員に別れを告げる広島新庄前監督の迫田守昭さん(右)=石川裕士撮影

 広島新庄や広島商を甲子園に導き、今春のセンバツでは最年長監督となる74歳で臨む予定だった迫田守昭さんが3月限りで退任した。コーチから昇格した33歳の宇多村聡監督は「新庄らしい投手中心の守りの野球を見せたい」と語る。

 身上とする守りの野球で昨秋の広島県大会を制し、中国大会は4強入りした。原動力は秋田駿樹(3年)、秋山恭平(2年)の両左腕。秋田は腰のけがで中国大会は登板しなかったが、140キロ超の直球で押す好投手だ。秋山は中学時代にU15(15歳以下)日本代表に名を連ねた逸材で、スピンの利いた直球で中国大会3試合すべてに完投した。内野は大可尭明、瀬尾秀太の2年生二遊間コンビを軸に手堅く、外野も中堅・明光竜之介(3年)、主将で右翼の下志音(3年)はともに俊足で守備範囲が広い。

 昨秋のチーム打率は3割9分。レギュラーの大半が3割超と穴がない。「簡単にアウトにならない打撃」を共通認識とし、追い込まれてもファウルで粘り甘い球を呼び込む。

 打線の中心は3番・下。打率5割7分8厘、3本塁打、22打点はチーム3冠王だ。4番・杉井秀斗(3年)はチーム屈指の長距離打者。確実性を欠く課題があったが、すり足打法に変えて体のぶれが減り、好不調の波も小さくなった。

 チームは6月1日から練習を再開した。平日は2時間程度と制約が多い中、実戦形式の練習を多く取り入れ、試合勘を取り戻してきた。選手寮には迫田さんが退任時に贈った「目指せ夏の甲子園」と書かれた額が掲げられている。下は「額を見るたびに甲子園への思いが募った。試合があるのはうれしい」と喜ぶ。大舞台での白星が、何よりの恩返しだ。【石川裕士】

沿革

 かつて地域を治めていた戦国武将・吉川元春を顕彰し、1909年に新庄女学校として創立。48年に男女共学の広島県新庄高校となった。2007年から現校名。野球部は28年創部。OBに永川勝浩コーチ(広島)、田口麗斗投手(巨人)、堀瑞輝投手(日本ハム)ら。広島県北広島町。


※出場回数は今春のセンバツを含む


お知らせ

 2020年甲子園高校野球交流試合(日本高校野球連盟主催、毎日新聞社、朝日新聞社後援、阪神甲子園球場特別協力)が8月10日から、兵庫県西宮市の阪神甲子園球場で行われます。日程は10~12日、15~17日の計6日間(予備日あり)。中止となった今春のセンバツ出場32校が招待され、各1試合を戦います。試合はNHKなどがテレビで生中継し、毎日新聞ニュースサイトなどが運営する「センバツLIVE!」でもライブ配信します。=随時掲載

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