白老町に12日開業した「民族共生象徴空間(ウポポイ)」によって、アイヌへの関心が高まる一方、置き去りにされた課題もある。その一つが先住権だ。
浦幌町厚内の倉庫にチェーンソーと電動彫刻刀の音が響く。1本のアカマツを使った全長5・8メートルのアイヌ伝統のチプ(丸木舟)。浦幌アイヌ協会会長の長根弘喜さん(35)ら約10人が5月から、上士幌アイヌ協会会長の清水勇さん(66)の指導を受けて週3日、仕事を終えた後に集まり製作している。浦幌町でのチプ製作は数十年ぶり。伝統を受け継ぎ復興させたいと手探りで取り組んできた。
船体のアイヌ文様について、清水さんが「船首にコタンコロカムイ(村の神)。下には波を切る魔よけの文様、小鳥、波の文様、船尾には森を表す文様を彫る」と解説するのを聞きながら作業が進む。今月14日に文様もほぼ完成。「初めてでよくやったなぁ」と歓声を上げる会員たちに、清水さんは晴れやかな表情で「これからお前らが歴史を作っていく。アイヌがアイヌのことをする。誰にも文句を言われる筋合いはないんだ」と励ました…
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