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PTSD患者脳内で恐怖のオン・オフ繰り返す仕組み明らかに 民間研究機関ATR

PTSD患者の恐怖のオン・オフが切り替わるイメージ

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 心的外傷後ストレス障害(PTSD)の患者が、脳内で強い恐怖(オン)とその過剰な抑制(オフ)をシーソーのように交互に繰り返しているという仕組みを、国際電気通信基礎技術研究所(ATR、京都府精華町)などの研究グループが解明した。本能的な感情などを処理する「へんとう体」と、理性で恐怖などの感情や衝動を抑える「腹内側前頭前野(ふくないそくぜんとうぜんや)」が、一方が優勢の時に片方が劣勢になる関係にあるといい、タイミングを見極めた効果的な治療法の開発が期待される。英科学誌「モレキュラー・サイキアトリー」(電子版)に20日、掲載された。

 PTSDは、交通事故や虐待などのトラウマ体験をきっかけとする精神疾患。つらい記憶が突然よみがえるなど強い恐怖反応を示す症状が特徴的だが、恐怖を過剰に抑制して感情がまひする症状もある。多くの患者で両症状がみられるが、それらが切り替わるメカニズムは詳しく分かっていなかった。

 研究グループは、ドメスティックバイオレンスや虐待によるPTSD患者20人(男性2人、女性18人)を対象に、実験を実施。専用のゴーグルで、普段、優先的に使われている「利き目」には点滅して注意を引くモザイク模様、反対の目には怒った男性の顔など恐怖を感じる画像を見せ、モザイクを徐々に弱めて、男性の顔に気づくまでの時間を測定した。

 その結果、同一の患者でも見つけるのが早い場合と遅い場合に分かれ、中間の時間は少なかった。このことから、へんとう体が活性化して本能が強まり恐怖刺激を素早く見つける状態と、腹内側前頭前野が優勢となり理性で恐怖刺激を見つけるのが遅くなる状態が、短い周期で入れ替わっていると結論付けた。長い周期の場合もあり得るという。

 ATR脳情報通信総合研究所の千葉俊周・連携研究員は「本能と理性のシーソーの傾きを理解すれば、バランスを取るために適切なタイミングで投薬などを行える。PTSDの治療効果の飛躍的向上につながる」と話している。【近藤諭】

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