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社説

検事総長の交代 説明尽くし信頼の回復を

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 検察トップの検事総長が稲田伸夫氏から林真琴氏に交代した。国民の信頼回復が責務だ。

 東京高検検事長だった黒川弘務氏の前例のない定年延長を発端に、この半年、検察を巡る混乱が続いた。その間、時の政権による人事介入につながりかねない検察庁法改正案が提出された。

 改正案は強い反発を受けて廃案となり、黒川氏は賭けマージャンが発覚して辞職した。だが、検察は政治的中立性に疑念を抱かれ、信頼を失った。

 一連の動きには、政権の意向が働いていた。とはいえ、検察側にも混乱を招いた責任がある。

 稲田氏ら検察幹部は、黒川氏の定年延長を受け入れた。それを可能にする法解釈の変更や、検察庁法改正案の作成には、検事でもある法務官僚が関わった。

 詳細な経緯は明らかにされていない。検察内部からも不満の声が上がった。稲田氏は退任の記者会見で問われたが、回答を避けた。

 今回、検察と政治の距離が疑問視されたのは、政治家が関係する疑惑の捜査結果について、十分に説明を尽くしてこなかった検察の姿勢が影響している。

 甘利明・元経済再生担当相の現金授受や、森友学園を巡る財務省の文書改ざんは、関係者が不起訴とされた。しかし、説得力のある理由は示されなかった。

 検察には、公益の代表者として真相を解明する役割が期待されている。罪に問わないならば、その根拠を明確にする必要がある。

 捜査・公判の課題も多い。ストーリーありきの取り調べや、否認する被告の長期勾留、証拠開示に消極的な態度などが、今なお指摘されている。

 検察は全ての犯罪を捜査でき、起訴権限をほぼ独占する。独立性は保たれるべきだが、独善は許されない。その権限は厳正公平に行使されなければならない。

 林氏は、2010年の大阪地検の証拠改ざん事件を受けて、最高検で検察改革を進めた。その際にまとめた「検察の理念」は、国民の信頼が基盤と記している。

 就任記者会見で林氏は「絶えず理念に立ち返り、実現していくことが今後のあるべき姿だ」と述べた。そうした組織にするためのリーダーシップが求められる。

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