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元官房副長官「国会は実質的『学級崩壊』状態だ」 改革拒む「パンドラの箱」とは

松井孝治・慶応大教授=東京都千代田区で2019年6月26日、滝川大貴撮影

 国会議員の間で、審議とは関係のない娯楽小説を読んだり、スマートフォンで趣味のウェブサイトを見たりするなどのモラル違反が横行している背景に何があるのか。旧通商産業省(現経済産業省)出身で民主党参院議員時代に官房副長官も務めた松井孝治・慶応大教授が、「政」と「官」の両方の経験を踏まえながら分析し、改善策を提案した。【聞き手・松本惇】

 与野党を問わず、議事とは関係のない新聞のスクラップや書類を持ち込んで読んでいる国会議員はとても多い。衆議院ではパソコンやタブレットの持ち込みが許されているため、委員会の審議中にユーチューブの映像を見たり、メールやSNS(交流サイト)への投稿をしたりする事例も存在するようだ。議員が、形式上は委員会に出席しながら、読書をしたり、スマホを見たりしているのは、国会の実質的「学級崩壊」を意味する。

 「学級崩壊」が起こっている時、「遊具」の持ち込みを禁止することは対症療法にはなるが、タブレットやスマホは本来、情報や資料検索に有用ということで、与野党間で議論の上、持ち込みを許容することになった経緯もある。問題の根っこにあるのは、国会が非常に形式的で、実質的な討論の場になっていないことで、国会の議論の形式を根本的に変えることが一番の解決策だと思う。

 国会がセレモニー化している要因の一つに「定足数」への厳格な考え方がある。議事を進めるために必要な出席議員数のことだ。海外では定足数に対する考え方が緩やかで、国会議員時代に視察した英国や豪州の議会では、出席している議員がきちんと討論を聞いているが、議場はガラガラなことが多かった。議場にいない議員は別の場所で人と会ったりしているが、採決の時にはベルが鳴って議場に戻ってくる。

 これに対し、日本では定足数割れすると審議がストップしてしまうから、国会運営を担う国対(国会対策委員会)役員の議員から「ちゃん…

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