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ALL FOR 2020

東京へ ともに歩む

毎日新聞

試合で躍動する姿を見せる奥原希望。国際大会から遠ざかり、自分を見つめる日々を過ごす=東京都世田谷区の駒沢体育館で2019年11月30日、喜屋武真之介撮影

アスリート交差点2020

己と向き合う 本田圭佑からの胸に刺さる言葉=バドミントン・奥原希望

 新型コロナウイルスの影響で国際大会は3月中旬を最後に開かれておらず、年内の開催も厳しいかもしれません。来夏の東京オリンピック開催は難しいという意見も聞きます。正直、何を目標に毎日過ごしていけばいいのか戸惑っています。五輪関連の情報を入れず、考えないようにしている自分もいます。

 目標まで逆算して取り組むことが好きで、東京五輪を競技人生最大の目標として準備してきました。今は先の大会が見えず、通過点をどこに置いて、どこに向かっていいかも分からない。けがや手術で苦しい時期もありましたが、この感じは初めてで難しいです。しっかり自分と向き合い、今できるベストを毎日探していくしかないと考えています。シンプルにもっと強くなりたいという思いは変えずに日々の練習をしています。

オンライン会議システムで取材に応じる奥原希望

 以前は試合ごとにソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)でファンの皆さんに発信していましたが、その機会も無くなりました。私にできることは何かと考え、5月下旬にユーチューブ「のんちゃんねる」を開設したほか、オンライン対談をライブ配信する「希望の架け橋」でサッカーの本田圭佑選手らと話しました。

 コロナで大変な思いをしている皆さんに元気を与え、楽しんでもらえればという思いが第一です。また、他競技の選手やアーティストがSNSで積極的に行動している中、バドミントンが出遅れることは良くないと思い、以前から考えていた試みを実行しました。私にとっても、「次は何を投稿しようか」と考えることが毎日の生活のはりとなるだけでなく、日々の行動の背中を押してくれています。

ユーチューブ「のんちゃんねる」を5月下旬から始めた奥原希望。チャンネル登録者数は4万人を超え、人気の動画は100万回以上再生されている=ユーチューブから

 本田選手のほか女優の川口春奈さん、総合格闘家の朝倉未来選手、女子サッカーの永里優季選手、女子レスリングの登坂絵莉選手と対談やバドミントン、トレーニングを行いました。多くの人にバドミントンを知ってもらいたいと考え、他の競技や異業種の方とのコラボレーション(共同作業)で面白いと思ってもらえるものを作ろうとしています。相手にはSNSを通じて直接お願いすることが多いです。

 本田選手との対談で胸に刺さったのは「人生は成り上がり」との言葉です。どの分野も第一人者は、熱い思いを持っているし、常に吸収して成長しようという姿勢を感じました。オンラインなどでいろいろな方と話すことは勉強になります。また、見ていただいた皆さんの反応も活力になっています。

 もし来年、東京五輪が開催でき、みんなが「世界が一つになってコロナを乗り越えた」と思えれば、今までにない特別な大会になります。スポーツの価値は文化、言葉を超えて世界が一つになれることだと思っています。そんなスポーツの魅力も発信していきたいです。(あすは卓球・伊藤美誠です)

おくはら・のぞみ

長野県大町市出身。2011年の全日本総合女子シングルスで史上最年少(16歳8カ月)優勝。16年リオデジャネイロ五輪銅メダル、17年世界選手権優勝。太陽ホールディングス所属。25歳。