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震災「復興五輪」からコロナ「克服五輪」に 振り回される被災地

福島県営あづま球場で子供たちの歓迎を受けるIOCのトーマス・バッハ会長(手前)。県民に「復興五輪」への期待感が膨らんだ=福島市で2018年11月24日午後3時55分、宮武祐希撮影

 東京オリンピックは来夏に延期された開幕に向け、新型コロナウイルス対策とコスト削減の両面から計画の簡素化作業が進む。複雑な表情で推移を見守るのが東日本大震災の被災地だ。大会理念の復興五輪が、コロナに打ち勝った証しとする「克服五輪」の陰に隠れてかすんでしまわないかと案じている。

 福島県飯舘村の山あいにあるビニールハウス内には、緑や白、ピンクなど色とりどりの特産のトルコギキョウが咲き乱れていた。東京電力福島第1原発事故に伴う全村避難で一時、福島市に逃れた高橋日出夫さん(70)は3年前に帰村し、栽培を再開させた。昨年11月に朗報が届いた。大会の表彰式でメダリストに贈られる花束「ビクトリーブーケ」に復興五輪の象徴として主に被災3県の花が使われることになり、福島県産のトルコギキョウも選ばれた。

 丹精込めて育ててきた3月、大会延期が決まった。国際オリンピック委員会(IOC)と大会組織委員会は6月、「コロナは世界を変え、物事の優先順位も変わった」として計画の簡素化で合意。IOCが国際競技団体(IF)に提示した16項目の簡素化案では表彰式も対象となっている。「果たして県産の花が表彰式を彩る日は来るのだろうか」。高橋さんは表情を曇らせる。

 IOCと組織委との間では、同県を出発地に全国を回る121日間の聖火リレーも簡素化の対象となっている。津波や原…

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