連載

特集ワイド

「人だかりがする」ニュースを目指して、読み応え十分の記事をラインアップ。

連載一覧

特集ワイド

この国はどこへ コロナの時代に 広井良典・京大教授 AIで未来予想 地方分散へかじ切る時

  • ブックマーク
  • 保存
  • メール
  • 印刷
=2016年、小松雄介撮影
=2016年、小松雄介撮影

 人口の「都市集中型」社会は日本を破局に追い込む恐れがあり、「地方分散型」社会への切り替えが望ましい――。京都大こころの未来研究センター教授(公共政策、科学哲学)の広井良典さん(59)らが3年前、人工知能(AI)を使って日本の将来をシミュレーションしたところ、そんな結論が導き出された。新型コロナウイルスの感染拡大で、3密(密閉、密集、密接)が起きやすい「東京一極集中」などのもろさが浮き彫りになった今、人口分散の必要性はますます高まっている。AIはコロナ禍を“予言”したのか。

 「AIの能力が過大評価されることには懐疑的です」。広井さんはそう前置きした上で、「人間の想像力が及ばない膨大な可能性を列挙できるので、何かヒントを得られないかと思いました」と研究に取り組んだ動機を明かす。財政の逼迫(ひっぱく)や人口減少などの解決策を探ろうと、広井さんは2016年、財政学や社会心理学、医療経済学の専門家とともに、AI技術を持つ日立製作所の研究機関(日立京大ラボ)と共同研究に乗り出…

この記事は有料記事です。

残り2447文字(全文2886文字)

あわせて読みたい

マイページでフォローする

この記事の特集・連載
すべて見る

ニュース特集