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余録

相撲の土俵の起源は…

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 相撲の土俵の起源は、一説に対戦する力士を取り巻く見物人の人垣に由来するという。この観客の輪は「人方屋(ひとかたや)」と呼ばれた。力士がそこに押し込まれたり、投げ込まれたりすると負けとなったわけである▲だが、見物人の中にはひいきの力士のために手出しする者もいて、争いが絶えなかった。そこで江戸前期の幕府の禁令を機に、柱を立てて縄を張り、やがて丸い土俵がつくられたという。観客と分離された土俵は聖なる場所となった▲今でも土俵下の溜(たまり)席(せき)、いわゆる砂かぶりで観戦する人には飲食や大声での力士への声援、写真撮影が禁じられている。土俵近くの観客も相撲という神事への参列者ということらしい。これも「人方屋」からの土俵の自立の名残なのか▲その溜席に観客は入れなかった。升席(ますせき)に1人ずつの客、隣三つの空席をはさんだ椅子席の客には声援の自粛が求められた。応援は拍手だけという大相撲7月場所である。それでも半年ぶりの本場所観客になったファンは感無量だろう▲2カ月前には三段目の勝武士(しょうぶし)が新型コロナ感染症で亡くなり、感染拡大が心配された相撲部屋での集団生活だ。江戸時代の疫病や大正時代のスペイン風邪に苦しめられた過去もあり、相撲界にはまさしく天敵ともいえる感染症である▲観客が「土俵」そのものだった時代から、お客あっての相撲は変わらない。全国的な感染拡大の中での観客入り本場所再開となったが、力士とお客の「距離をおいた協力」が必要な大相撲の新ノーマルである。

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