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社説

GoTo事業の開始 不安無視した見切り発車

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 政府の観光喚起策「Go Toトラベル」事業があすから始まる。新型コロナウイルスの感染者が全国的に増え、国民の不安が収まらない中での見切り発車となる。

 感染拡大の防止と景気回復の両立には、慎重な対応が求められる。ところが、政府は今回、景気回復に前のめりで、旅行需要が増える夏休みに間に合わせようと、唐突に事業の前倒しを決めた。

 批判を受けて、感染者が急拡大している東京都を対象から外したものの、それで大丈夫なのか、十分な説明はない。

 毎日新聞の世論調査では、事業の見送りを求める回答が69%に上った。

 事業開始の直前になって仕組みを変えたことで、助成の線引きがわかりにくく、生煮えで抜け穴も多い制度となっている。

 東京都の近隣県に宿泊して都内を観光した場合でも、個人旅行だと行く先を把握できずに宿泊割引が適用される可能性がある。

 政府は、若者や高齢者の団体旅行を控えるよう求めているが、どこまで許容されるのかはあいまいだ。キャンセル料の補償を巡っても迷走した。

 事業開始を前倒ししたのが、強引すぎたのではないか。

 事業者向け説明会ですら、開始前日にようやく始まるという有り様だ。政府の対応は場当たり的で、準備期間があまりにも短い。

 宿泊施設や飲食店で十分な感染防止策を講じる必要があるのに、旅の安全を守れるのだろうか。

 そもそも、感染の収束を前提としていた事業にもかかわらず、制度の大枠を変えないまま実施することに無理がある。

 財源を地域に移した上で、まずは近隣県への移動に絞り、段階的に広げていくといった対応が必要ではないか。

 政府が自ら招いた混乱の末、旅行そのものを批判する風潮が強まれば、逆効果となる。

 事業を通じて感染が地方に広がる事態は避けなければならない。宿泊事業者や飲食店は、感染防止策を徹底しつつ旅客を癒やすサービスに知恵を絞ってほしい。

 観光客の増加が感染リスクに与える影響を点検しながら、制度や感染防止策を柔軟に見直す必要がある。

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