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社会

「時代リードする媒体」 視覚障害教育に活用 点字毎日5000号

「点字毎日」のバックナンバーを手にする日本盲教育史研究会事務局長の岸博実さん=京都市北区の京都府立盲学校で2020年6月30日、濱井良文撮影

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 26日発行号で通巻5000号になる週刊点字新聞「点字毎日」(毎日新聞社発行)。1922(大正11)年5月の創刊以来、約1世紀にわたる点字の紙面は、日本の視覚障害者が歩んできた近代史そのものでもある。創刊号から初期のバックナンバーを保管して視覚障害教育に役立てようとする盲学校がある一方、膨大な点字の記事をデータ化し、次世代につなぐ取り組みも進んでいる。【濱井良文】

 京都府立盲学校(京都市北区)は視覚に障害のある子のための日本最初の学校だ。1878(明治11)年の創立。日本点字制定(1890年)の前から使われていた教材が学校開設当時の公文書などと共に国の重要文化財に指定されている。

 重文資料とは別に、校内の資料室には、点字毎日の創刊号から第2244号(1966年4月3日付)までほぼそろっている。初期のバックナンバーをこれだけ持つ盲学校は珍しい。整理棚に、数部ずつ分厚い表紙で製本した形で年代順に並ぶ。

 資料室を担当する同校講師で「日本盲教育史研究会」事務局長の岸博実さん(71)は「日本の盲学校や視覚障害者がたどった歩みを追っていこうとすると点字毎日の紙面は欠かせない」と話す。各地の大学生や大学院生らが卒論や研究のために訪れ、利用されているという。昭和初期の号には、点字毎日の主催や後援で盲学生の弁論大会や体育大会が既に盛んだったと伝える記事があり、岸さんは「若者たちを引きつけてエネルギーを結集させ、人と人のつながりを作った。共感を広げる役割が大きかった」と感想を語る。更に「点字毎日は歴史をただ記録する受け身の器ではなく、選挙での点字投票の実現など視覚障害者をめぐる状況を打開し、時代をリードする媒体であったのも大きな特色だ」と指摘する。

12年から仮名で読めるデータ化進む

 一方、点字版だけで残る古い紙面をデータ化し、多くの人に仮名で読んでもらえるようにする取り組みが、官民共同運営の刑務所「島根あさひ社会復帰促進センター」(島根県浜田市)で2012年から続いている。点字毎日とNPO法人全国視覚障害者情報提供施設協会(大阪市)の共同事業で、受刑者の手で創刊号から1207号までの入力を終えている。150号までは校正も経て視覚障害者が使えるインターネット上の電子図書館「サピエ」に登録されている。

 障害文化に詳しい国立民族学博物館准教授で全盲の広瀬浩二郎さんは「点字毎日には、視覚障害者がコミュニティーとして結束し、障害があっても自信を持って生きていけると感じることのできるみんなの共有メディアとしての役割がこれからもあると思う」と話す。

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