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岡崎 武志・評『あめつちのうた』『休息のとり方』ほか

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今週の新刊

◆『あめつちのうた』朝倉宏景・著(講談社/税別1600円)

 夏の甲子園大会中止という未曽有の悲劇が起きた。そこで甲子園の土をキーホルダーにして3年生球児全員へ贈ることに。暗い世相にちょっといい話。

 高校野球の聖地・甲子園の芝やグラウンドを整備するのが「阪神園芸」。朝倉宏景『あめつちのうた』は、この会社を物語に仕立てた異色長編だ。野球部でマネジャーだった雨宮大地は、入社するもヘマ続き。元高校球児の同僚との確執や、歌手志望のビールの売り子への恋などでドラマが生まれていく。

 しかし、主役はむしろ土と芝かもしれない。トンボ掛けや芝刈り、水撒(ま)きなど、どれ一つとっても、繊細な神経と熟練した技能が求められる。そのプロ意識の高さに大地も驚き、読者も驚く。

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