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社説

性暴力対策の方針 実効性高める工夫が必要

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 性暴力対策を強化する方針を政府が決定した。性被害について、総合的な対策を打ち出すのは初めてのことだ。

 教育・啓発や被害者支援、再犯防止などの幅広い施策を盛り込んだ。2022年度までを強化期間と定め、月内に具体的な実施方法やスケジュールをまとめる。

 昨年以降、性暴力に抗議するフラワーデモが全国に広がったことを受けて対応した。速やかに実行していかなければならない。

 日本は諸外国に比べ、性教育が遅れている。子どもを性暴力の当事者にしない教育の必要性を示したのは、改善への一歩だろう。

 学校の果たす役割が大きいと指摘され、成長段階に応じた指導法も例示されている。

 子どもは性被害を受けていることが分からず、後になって深いダメージを受ける場合がある。親族が加害者になるケースも多い。

 課題は、教える側の態勢づくりだ。有識者の知見を踏まえたプログラムの作成や、教職員の研修が不可欠になる。

 独自に性教育に取り組む産婦人科医らと協力することも一案だろう。学校によって差が生じないよう、文部科学省はカリキュラムにしっかり位置づけるべきだ。

 一方、被害者支援については、1カ所で医療や心のケア、法的助言を受けられる「ワンストップ支援センター」の拡充を挙げた。

 全ての都道府県に設置されているが、体制の整備や医療機関との連携が不十分なところもある。政府は積極的に関与すべきだ。

 性犯罪で執行猶予付き判決を受けた人や仮釈放中の人に、再犯防止のため全地球測位システム(GPS)機器を装着し、動向を把握する措置の検討も盛り込まれた。

 諸外国の制度や防止効果を2年かけて調べ、可否を判断するという。人権にも関わることから、十分な議論が求められる。

 同意のない性行為を処罰する規定の創設など、刑法の見直しも必要だ。法務省は有識者会議を設けた。被害の実態に即した法整備が欠かせない。

 性暴力は「魂の殺人」と言われる。被害者は心身に大きな傷を負い、日常生活にも支障を来す。根絶するために、対策の実効性を高める工夫が必要である。

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