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第94回センバツ高校野球

第94回選抜高校野球大会の特集サイトです。阪神甲子園球場での熱戦全31試合をLIVE配信します。

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甲子園交流試合・2020センバツ32校

第2日 第3試合 明豊-県岐阜商 みどころ

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 ◆第2日 第3試合 明豊-県岐阜商 8月11日 15:20

みどころ

 最速140キロを超える投手を5人も擁する県岐阜商と、2019年秋のレギュラー全員が打率3割を超える明豊。投打に特色のあるチーム同士の一戦は、継投のタイミングがポイントになる。県岐阜商を率いる69歳のベテラン、鍛治舎巧監督の采配も注目される。

 県岐阜商は適材適所の投手起用で、接戦をものにしてきた。19年秋の東海大会2回戦の愛工大名電(愛知)戦では、速球に多彩な変化球を織り交ぜる左腕の野崎慎裕から、直球主体の森大河、佐々木泰の両右腕に継投し、5―3と競り勝った。

 一方、昨秋の公式戦で4割近いチーム打率を誇った明豊は、球威のある投手攻略に自信を見せる。九州大会準々決勝の沖縄尚学戦では、居谷匠真が2点を追う九回に速球をとらえ、満塁の走者を一掃する逆転の適時三塁打を放った。

 チームカラーが対照的な両チームだが、鍛治舎監督は「どんなパターンでも、融通無碍(むげ)に対応してきた」と試合運びに自信を見せる。対する38歳の明豊・川崎絢平監督は「(17年まで鍛治舎監督が率いた熊本の)秀岳館に勝つために(力を)蓄積してきた」と闘志を燃やす。【吉見裕都】

 ◆明豊 大分県・私立 全国大会出場回数 春4回/夏6回

フリーバッティングをする明豊の布施心海選手=大分県別府市で2020年1月26日、津村豊和撮影 拡大
フリーバッティングをする明豊の布施心海選手=大分県別府市で2020年1月26日、津村豊和撮影

猛打、平均11・5得点

 昨年のセンバツで春夏の甲子園を通じて初の4強入りを果たし、一つの壁を乗り越えた。全国の強豪への道を歩むチームの強みは、鍛え上げられた強力打線。昨秋の九州大会では1回戦で唐津商(佐賀)から20点を奪い、決勝の大分商戦でも13得点。4試合で計43得点の猛打を見せ、12年ぶりに優勝した。

 昨秋の公式戦でのチーム打率は3割9分。1試合平均得点(11・50点)はセンバツ交流試合に出場する32校で堂々のトップだ。力強いスイングで打率が5割を超えた居谷匠真(3年)や、1年時からのレギュラーで、4本塁打と長打力のある布施心海(しんかい、3年)ら、上位から下位まで打線の切れ目がない。

センバツ交流試合開催決定の知らせを受け、意欲をみせる明豊の選手たち=大分県別府市の明豊高野球部グラウンドで2020年6月10日午後5時21分、河慧琳撮影 拡大
センバツ交流試合開催決定の知らせを受け、意欲をみせる明豊の選手たち=大分県別府市の明豊高野球部グラウンドで2020年6月10日午後5時21分、河慧琳撮影

 エースで主将の左腕、若杉晟汰(せいた、3年)は昨年のセンバツで先発3試合を含む全4試合に登板するなど、甲子園での経験が豊富。最速144キロの直球を軸とした攻めの投球が光る。昨秋は右足薬指を疲労骨折した影響で本調子を欠いたが、復調が期待される。

 春先は新型コロナウイルスの感染防止を図るため、練習は約90人の部員を4班に分け、時間を2~3時間に短縮した。通常通りの練習が再開したのは5月下旬だった。センバツ交流試合の開催が告げられると、選手たちは驚きの表情を浮かべた後、生き生きと練習に打ち込んだ。赤峰淳部長は「子供たちの思いが報われる形になってうれしい」と話した。

 選手たちのモチベーションは高まっており、布施は「甲子園に出るために今まで練習をしてきた。1試合でも試合ができるのは本当にうれしい」。若杉も「交流試合の貴重な1戦を必ず勝利し、さすが日本一を目指す明豊だ、と言われるように全力で戦う」と誓う。【河慧琳】

沿革

 1999年創立の中高一貫校。野球部も99年に創部した。甲子園では昨年センバツの4強が最高で、夏は8強が3回。卓球部なども強豪。卒業生に今宮健太選手(ソフトバンク)、東京パラリンピック女子走り幅跳び代表内定の中西麻耶選手ら。校歌は大分県出身の南こうせつさんが作曲した。大分県別府市。

 ◆県岐阜商 岐阜県・県立 全国大会出場回数 春29回/夏28回

猛練習、140キロ超複数

投球練習をする県岐阜商の森大河=岐阜市で2020年2月8日午後1時4分、兵藤公治撮影 拡大
投球練習をする県岐阜商の森大河=岐阜市で2020年2月8日午後1時4分、兵藤公治撮影

 甲子園で春夏通算優勝4回、準優勝6回。通算勝利数は全国4位で、公立校ではトップの87勝を誇る。しかし最後に優勝したのは戦前の1940年春。古豪復活の期待を託されたのは2018年春に就任したOBの鍛治舎巧監督だ。

 秀岳館(熊本)を率いて16年春から甲子園で3季連続4強入りした69歳のベテラン監督は、白色を基調としたユニホームのデザインを山吹色や青を配したものに一新。伝統の重圧を拭い去る意識改革や猛練習を課し、19年秋の東海大会で準優勝した。

練習再開初日、キャッチボールをする選手たち=岐阜市則武新屋敷の県岐阜商高で2020年6月15日午後4時10分、横田伸治撮影 拡大
練習再開初日、キャッチボールをする選手たち=岐阜市則武新屋敷の県岐阜商高で2020年6月15日午後4時10分、横田伸治撮影

 「うちほど(練習を)やっているところは全国でもそうそう無い」と鍛治舎監督が自負するのは、フィジカル面の強化。練習前に3本指での腕立て伏せ100回、腹筋300回に加え、2人1組で50メートルに及ぶ「手押し車」を4方向に各4往復。素振りは就任前の3倍近い1日1200回に増やした。

 成果は投打に表れた。投手陣は本格派右腕の森大河(3年)、多彩な変化球も繰り出す左腕の野崎慎裕(2年)ら最速140キロを超える投手が複数おり、層が厚い。攻撃は昨秋の公式戦で打率4割超の佐々木泰主将(3年)を中心に下位打線まで粘り強い。1試合平均盗塁数(3・25個)は出場32校でトップタイと機動力も備える。

 活動休止を経て6月半ばから練習を再開。当初は球速が130キロ台に落ちた森も「調整はできている。甲子園では150キロを投げたい」と意欲十分だ。

 佐々木主将は「グラウンドでの練習は当たり前のことではなかった。甲子園でも勝って引退したい」と意気込む。

 学校内での新型コロナウイルスの感染拡大で岐阜県独自大会の出場は断念したが、交流試合を集大成の場にしたい。【横田伸治】

沿革

 1904年に市立岐阜商業学校として創立。48年に市立女子商と統合し、51年に現校名となった。野球部は25年創部。甲子園では33年、35年、40年のセンバツと36年夏の計4回優勝した。卒業生に高木守道さん(元中日)、2000年シドニー五輪女子マラソン金メダリストの高橋尚子さんら。岐阜市。


※出場回数は今春のセンバツを含む


お知らせ

 2020年甲子園高校野球交流試合(日本高校野球連盟主催、毎日新聞社、朝日新聞社後援、阪神甲子園球場特別協力)が8月10日から、兵庫県西宮市の阪神甲子園球場で行われます。日程は10~12日、15~17日の計6日間(予備日あり)。中止となった今春のセンバツ出場32校が招待され、各1試合を戦います。試合はNHKなどがテレビで生中継し、毎日新聞ニュースサイトなどが運営する「センバツLIVE!」でもライブ配信します。=随時掲載

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