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患者急増、埋まりつつあるベッド 増床要請に頭抱える病院…スタッフは?一般患者は?経営は?

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新型コロナウイルス感染者のための病床確保の準備を進める昭和大学病院=東京都品川区で2020年7月10日午前10時半、島田信幸撮影
新型コロナウイルス感染者のための病床確保の準備を進める昭和大学病院=東京都品川区で2020年7月10日午前10時半、島田信幸撮影

 新型コロナウイルス感染拡大の「第2波」に向け、病院のベッド確保が再び懸案として浮上している。東京都内では連日増加する患者でベッドが埋まりつつあり、無症状者や軽症者を受け入れるホテルも一時足りなくなった。都は各病院に新型コロナの患者用のベッドを用意するよう求めているが、他の病気の患者の治療ができなくなるなど影響も大きく、病院側は頭を抱えている。

病床確保「右から左に準備できるわけではない」

 「病床の確保の準備に入ってください」。7月3日、東京都が高度な医療を提供する都内の特定機能病院を対象に開いたテレビ会議。都幹部はその場で「重症者用10床、中等症者用30床」を段階的に準備するよう病院側に要請した。会議に出ていた昭和大学病院(東京都品川区)の相良博典院長は頭を抱えた。「コロナ感染者用の病床を整備すれば、他の患者の入院や手術の制限が必要。右から左に準備できるわけではない」

 この病院は感染症の専門病院ではないが、横浜港に停泊したクルーズ船で集団感染が発生した2月から感染者を受け入れてきた。感染者の増大に伴い、集中治療室(ICU)で重症者も入院させた。

 4月上旬には「オペの50%制限」を決定。ICUは手術直後の一般患者が入ることも多く、コロナの重症者をさらに受け入れるためには手術数を減らす必要があった。緊急性が低い手術は延期した。

 また、陰圧装置を備えた病室があるフロアを「コロナ専用病棟」にするため、本来120床だったこのフロアのベッド数を陰圧装置の数と同程度の20床に縮小することも余儀なくされた。

 4、5月の2カ月で感染者とコロナ疑いの患者計116人の入院を受け入れた。一方、コロナ対策に携わった職員は4月以降ほとんど休みがなく、防護服で治療に当たる医師、看護師には大きな緊張を強いた。手術や入院、外来を制限したことで5月の収益は前年同月比30%減、4、6月は同15%減と経営に影を落とした。

 「重症は8~10床、中等症は18床」。病院は都に対し、「第1波」と同程度の病床を確保可能だと伝えた。40床は難しいとの判断だった。現在は4、5月に予定されていた一般患者への手術を行っている。コロナ専用病棟は元の体制に戻しており、病床の準備には1カ月程度の時間が必要と見込む。

 相良院長は「感染者にはその数倍の濃厚接触者がいる。感染が中高年に広がると入院患者も増える。感染の波がだらだらと続けば、経営が持たない病院が出てくる可能性がある。責任感のみに頼っていてはモチベーションの維持が難しい現状もある」と胸の内を明かす。【島…

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