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ALL FOR 2020

東京へ ともに歩む

毎日新聞

日本選手で過去最高の世界ランキング2位に浮上した伊藤美誠。強さの秘密は試合でも見せる集中力だ=東京体育館で2019年11月10日、大西岳彦撮影

アスリート交差点2020

今を楽しむ 世界1位になるための1年間=卓球・伊藤美誠

 6月下旬から7月中旬まで、東京都北区の味の素ナショナルトレーニングセンター(NTC)でナショナルチームの合宿がありました。最初は戸惑いもありましたが、来年の世界選手権の日本代表ら多くの選手らと打ち合うことができて楽しかったです。新型コロナウイルスの感染拡大でNTCが閉鎖している間も大阪で練習はしていましたが、これほど恵まれた環境はないですから。夕食の時間ぎりぎりまで打ち合うこともありました。本当に充実した練習ができました。

 コロナ禍でつらかったのは東京オリンピックが延期になったこともありますが、何よりも試合がなくなったことです。試合は私にとって楽しいもの。エネルギーの発散方法がなく、少しつらく感じた時期もありました。たまにいらいらすることもあって、まだまだ自分は未熟だなと思いました。

 本当ならば、東京五輪本番を迎えていたはずですが、1年延びました。しんどい部分もありますが、この1年は強くなるために与えられたもの、だからよかった、と考えるようにしています。自分はもっと強くなれる、そうやって毎日を過ごしています。

卓球の全日本選手権女子ダブルスで3連覇を飾り、笑顔の伊藤美誠。会場で再びこの表情を見られるのはいつになるだろうか=丸善インテックアリーナ大阪で2020年1月18日、久保玲撮影

 いろいろと考えることもありました。今年1~2月のドイツ・オープンでのことです。準々決勝で負けた後の取材で「完璧を求め過ぎているのでは」と言われたのです。思い当たる部分がありました。何でもできる選手になりたいという思いが強すぎて、無理をしていることに気づきました。自分の良さはもっと自由で幅広い考え方のはず。続くハンガリーで優勝、カタールで準優勝と結果を出せたのは、私は私でいい、と思えたからです。

 できるだけ外出を控えていた時期にも同じように感じたことがありました。普段はあまり見る時間のないドラマを自宅で見たのですが、その中に米倉涼子さんが絶対に失敗しない医師を演じた「ドクターX」がありました。私は強い女性が好きだからそういう女性が主人公のドラマを選んだのですが、私は私、自分の生き方は自分で決めたいと改めて思いました。

 国際大会はいつ再開するか分かりません。当初は8月には、と思っていましたが、今は10月の女子ワールドカップ(W杯)に向けて練習しています。いつ試合があってもいいように準備しています。一番練習しているのは私だと言えるように頑張っています。

 4月、世界ランキングが自己最高の2位になりました。1991年に現行のランキング制度が始まって以来、日本選手で最高の順位ですが、満足しているわけではありません。与えられた1年は世界1位で東京五輪を迎えるための期間だと思っています。私は来年の自分の姿をそう思い描いています。皆さんも楽しみに待っていただけたらと思います。(あすは陸上・山県亮太です)

いとう・みま

 静岡県磐田市出身。2015年、ツアー史上最年少(当時)の14歳152日で優勝。16年リオデジャネイロ五輪団体銅メダル。18、19年全日本選手権3冠達成。1月に東京五輪代表に決定。スターツ所属。19歳。