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余録

スポーツの不正の筆頭は今はドーピングだろうが…

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 スポーツの不正の筆頭は今はドーピングだろうが、古代オリンピックでは「勝利の魔術」が問題視された。たとえばライバル選手への呪いを記した鉛の板が発掘されるが、さて効き目の方はどうだったのか▲魔術より効いたのは買収による八百長らしく、こちらは罰金で作られた何体もの彫像がその頻発を物語る。それら不正を決して犯さない――主神のゼウス像に選手らがそう宣誓するのが古代オリンピック開幕時の主行事だったようだ▲大会初日朝、選手たちは観客の歓呼の中、列をなして審判団の待つ評議会の建物へ向かった。選手らは少人数で暗い式場に呼び込まれ、1人ずつコーチや肉親と共に恐ろしげな神像に宣誓した(ペロテット著「古代オリンピック」)▲あすは本来なら2020東京五輪の開会式が予定されていた日、そしてきょうは延期された五輪の開幕予定日のちょうど1年前にあたる。年初めには思いもしなかった成り行きで、雨よりも酷暑を心配していたことが今では懐かしい▲世界的コロナ禍の下、来年大会を開くなら開会は宣誓式だけでいいと古代式簡素化を唱える方もおられよう。だが、米テレビの放映権とのからみで開会式の規模の縮小はできないのだとか。現代五輪の主神が誰なのかを示す話である▲感染症は文明の本質を映し出すが、商業五輪の実相も浮かび上がらせたコロナ禍だった。先行き不透明な大会延期に何千億円もの追加費用を支払う日本国民としても、ボーッとしてはいられない1年間になる。

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