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記者の目

沖縄戦から75年 戦力に組み込まれた住民=平川昌範(西部報道部)

沖縄では戦後75年の今も沖縄戦の犠牲者の遺骨収集が続いている=沖縄県糸満市で2020年6月6日、平川昌範撮影

 75年前の太平洋戦争末期、沖縄は約3カ月にわたり「戦場」となった。沖縄戦で亡くなった約20万人のうち、約9万4000人は一般住民だったとされる。沖縄戦から何を学ぶべきか。体験者たちを訪ね歩き、6月に連載「戦場(いくさば)の住民たち」にまとめた。戦火を生き抜いた人々の証言から見えてきたのは、「国を守るため」という大義名分の下、戦争に組み込まれ、命を無残に奪われた住民たちの姿だ。

 75年も前のことをどれほど聞けるだろうか。不安に思っていた私に、11歳で凄惨(せいさん)な地上戦を体験した大城勇一さん(86)=沖縄県宜野湾市=が分厚い紙束を差し出した。「これを読めば全部分かる」。2万字を超える手書きの手記だった。<真っ裸になった大人の男性が風船のように大きくふくれ上がり、ある小柄な少年兵は顔面全部が砲弾でえぐられ、道のまん中にあおむけに倒れて死んでいた>

 書かれていたのは、最後の激戦地となった沖縄本島南部で米軍の攻撃から逃げ惑う中で見た光景だった。大城さんの脳裏には日本兵から投げられた言葉が強く刻まれている。「お前ら沖縄人は皆、スパイだ」「捕虜に行くときは後ろから手榴弾(しゅりゅうだん)(手投げ弾)を投げて殺してやるから覚えておれ」。大城さんの家族はその後に投降して九死に一生を得たが、沖縄では住民が日本軍からスパイの疑いをかけられて殺害されたり、…

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