SNSも切り裂く米中対立 TikTok禁止検討 8億人利用…スパイ警戒

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香港国家安全維持法に反対する香港市民=香港で2020年6月9日、AP
香港国家安全維持法に反対する香港市民=香港で2020年6月9日、AP

 米中両国の作り出す分断が、国境を超えたサービスで急成長してきた会員制交流サイト(SNS)にも及んできた。トランプ米政権は情報漏えいの恐れを理由に、中国企業が運営する人気動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」の使用禁止を検討。これまでSNSを自由に使えた香港では、中国政府による統制が始まり、検閲を恐れる市民の間で投稿を控える動きが広がる。国家の枠を超えて人々をつないできたSNSの行方は――。

崩れた「ソフトの優位」

 「ダウンロードすると、中国政府に個人情報が渡ってしまう恐れがある」。ポンペオ米国務長官は7月上旬、中国SNS大手の北京字節跳動科技(バイトダンス)が運営するティックトックの使用禁止を検討していることを明らかにし、米国民にアプリのダウンロードを控えるよう訴えた。

 バイトダンスは2012年設立の中国企業。同社が運営するティックトックは約15秒の動画を気軽に投稿・視聴できるアプリで、若者世代を中心に爆発的な人気を呼んでいる。業界推計によると、利用者は世界で約8億人に上るという。

 トランプ政権や米議会は近年、中国のハイテク企業が「スパイ行為やサイバー攻撃を通じ安全保障の脅威となる」と警戒を強めてきた。第5世代通信規格(5G)技術を握る中国通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)の排除を同盟国にも要求。日本や英国が同調した。

 ハードウエア(機器)で負けても、ソフトウエアは米国がリードを保つ。IT業界で常識とされてきたそんな見方は、ティックトックが中国発のSNSとして初めて世界的…

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