「女・男の気持ち」(2020年7月16~22日、東京・大阪・西部3本社版計20本)から選んだ「今週の気持ち」は、東京・西部本社版7月22日掲載の投稿です。
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<今週の気持ち>
里親さんに感謝 三重県四日市市・奥岳料子さん(無職・72歳)
梅雨空の6月、愛犬プールの死の知らせが届いた。19年の大往生だった。
夫亡き後はプールに癒やされた生活を送り、その後娘夫婦と同居した。10年前、娘婿の転勤が決まり、当時住んでいた福岡県から連れていけないつらさを「女の気持ち」に投稿した。掲載をきっかけに思いがけず里親の連絡をいただいたときは、涙が止まらなかった。飼い主のいない犬猫の面倒を見てくださっている県内のご夫婦で、十数匹の仲間がプールを迎えてくれた。
部屋から自由に行き来できる芝生の上には犬小屋や遊び道具。夜は室内の布団で眠る。けんかしたり扉から飛び出したりと最初はわがままだった。でも、ご夫婦と一緒の散歩がとても楽しみで、「プールロード」と名付ける道ができるくらい歩いていたとか。獣医師会からいただいた「ご長寿ペット」の表彰状や手紙、写真の束は私の宝物だ。
立てなくなってからもスプーンで食べさせてもらい、ベッドでは床ずれしないよう寝返りもさせてもらった。「私たちが今、元気でいられるのは犬猫のお陰かと。助けているようで助けられているのでは、と思います」との里親さんの言葉に、ただただ感謝しかない。
最高の環境で、最大の愛情を注がれて10年間育てられた。幸せな一生だったプール。長い間ありがとうございました。
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<担当記者より>
10年前、「ごめんね、プール」と題する奥岳さんの投稿が西部本社版の「女の気持ち」に掲載されました。これがきっかけで、車で1時間ほど離れた街に愛犬の里親が見つかったのです。愛犬プールは里親さんに大切に育てられ先日、空へと旅立ちました。
より多くの投稿をご紹介できるよう、通常「女(男)の気持ち」では毎日、東京・大阪・西部の3本社で違う投稿を掲載しています。今回の奥岳さんの投稿を受け取った東京本社の担当記者は、女の気持ちが取り持ったご縁に感動し、西部本社の担当記者と相談。両本社での同日掲載となりました。福岡県筑紫野市に住む里親さんにも奥岳さんの気持ち、届いていますように。
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