メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

社説

マンションの老朽化 管理不全招かぬ手立てを

[PR]

 老朽化したマンションの管理に行政が関与できるよう、政府が関連法を改正した。管理に問題がある場合、自治体が助言や指導を行う仕組みを設ける。2年以内に施行する。

 築40年を超えるマンションは既に90万戸を超え、全体の1割強を占める。現行の耐震基準を満たしていない建物も多い。放置すれば、建物の損壊やスラム化を招く懸念がある。

 政府は建て替えを促してきたが、所有者の合意形成が難しく、実績は少ない。管理を強化して建物の寿命を延ばすのは、現実的な政策転換といえるだろう。

 自治体による指導の下、役員を選ぶなどして管理組合を立て直せば、改修計画の策定や合意形成が可能になる。必要に応じてマンション管理士などの専門家を派遣し、支援してもらいたい。

 マンションは老朽化するほど空室が目立ち、管理費や修繕積立金の滞納が増える傾向にある。所有者は高齢になり、管理組合の担い手が不足して対応が遅れがちだ。

 まずは実態把握が急がれる。理事会や総会の開催状況、修繕計画の有無を調べ、管理組合が機能しているか確認する必要がある。

 適切に管理されているマンションを認定する制度も導入する。中古の売買価格に管理状況が反映されれば、所有者の取り組みを後押しする効果が期待される。

 耐震補強やバリアフリー設備の整備などを進めて老朽化したマンションを再生すれば、居住環境の改善に加え、治安や都市景観の維持にもつながる。

 人口減少もあり、空き家や空室が増えている。新築の供給を中心とする住宅政策から、中古の有効活用に軸足を移すべきだ。

 解体や敷地売却が避けられないケースもある。滋賀県野洲市では、廃虚同然となり、アスベストがむき出しとなったマンションを、市が1億1800万円かけて解体する事態に追い込まれた。

 所有者の高齢化で、解体費用を捻出できないマンションも増えるだろう。事前に積み立てておくといった手立ても必要だ。

 損壊などの危険が差し迫り、行政の関与を求められた場合のルールも定めるべきだ。政府は議論を加速させなければならない。

おすすめ記事
広告
毎日新聞のアカウント
ピックアップ
話題の記事

アクセスランキング

毎時01分更新

  1. “お蔵入り”大阪市長の肝煎り学校のフェースシールド 医療界が止めた理由

  2. ベトナムで感染力強い型のコロナ流行か 首相「拡大防止へ重要な時期」

  3. 療養ホテル、沖縄は1カ月半「ゼロ」 菅氏が批判、知事は「予想より早く感染者増えた」

  4. ORICON NEWS 香取慎吾「こんなにテレビ出れないか」独立から3年のホンネ 草なぎの大河出演にガッツポーズ

  5. 奈良の感染者の26% コーヒーの香り、カレーの味分からず 発熱から数日後

編集部のオススメ記事

のマークについて

今週のおすすめ
毎日新聞社は、東京2020大会のオフィシャルパートナーです