引くに引けぬ中国が強める共産党独裁 米国、「専制国家」と体制批判開始 危うい共存

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中国全人代に臨み、マスク姿の代表らに拍手で迎えられる習近平国家主席=北京で2020年5月22日、AP
中国全人代に臨み、マスク姿の代表らに拍手で迎えられる習近平国家主席=北京で2020年5月22日、AP

 ポンペオ米国務長官は23日の演説で、中国の習近平国家主席(共産党総書記)や共産主義体制による覇権主義の動きについて異例の厳しさで批判した。だが米国による中国の体制批判が強まるほど、党の優位性を強調する中国の一党独裁体制はむしろ強化されかねない状況にある。一方、トランプ米政権が目指す「対中包囲網」の実効性も不透明だ。対立の着地点が見えない悪循環の背景には何があるのか。【北京・河津啓介、ワシントン鈴木一生】

政治体制正当化キャンペーンを強化する習指導部

「14億人民に中国共産党史と新中国史をしっかり学ばせなければならない。中国共産党が創設した社会主義の偉大な事業をしっかり守り、伝承していこう」。習氏は22日、視察先の東北部吉林省でそう訴えた。内憂外患の中、習指導部は自らの政治体制を正当化する宣伝キャンペーンを強化。16日発行の共産党理論誌「求是」は習氏が過去に論じた演説を特集し、「共産党は、党、政府、軍、人民、学界、東西南北中(あらゆる地域)の一切を指導する。党の指導を堅持することは国の根本であり、全人民の幸福だ」といった言葉が並んだ。

「橋渡し役の外交官が指導者への忠誠競う強硬な発言」

 習氏の政治思想は外交政策にも反映されている。20日に北京で「習近平外交思想研究センター」の設立式が行われた際、王毅国務委員兼外相は「習氏は偉大な戦略家としての長期的な視野と卓越した見識で、新時代の中国外交が前進する方向を示した」と述べ、習氏が提唱した巨大経済圏構想「一帯一路」などを「歴…

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