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子どもの野球離れにストップを まずは「遊び」から 大阪のNPOが活動スタート

「北摂ベースボールアカデミー」理事長の植松剛史さん=大阪府豊中市新千里北町の千里北町公園グラウンドで2020年7月15日午後5時38分、福田隆撮影

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 子どもたちの野球離れが指摘されて久しい。そんな中、大阪府豊中市内で5月、「野球場開放」と銘打った活動がスタートした。野球経験がある元小学校教師らによるNPOが、安全を確保しながら「野球遊び」をコーディネートする取り組みを取材した。

 7月15日午後3時半、泣き出しそうな梅雨空の下、豊中市の千里北町公園グラウンドに小学2~4年生8人が集まってきた。「さあ、試合しようか!」。NPO法人「北摂ベースボールアカデミー」(北摂BA、大阪府箕面市)理事長の植松剛史さん(38)が声を掛けると、子どもたちはダイヤモンドに散っていった。

 野球初心者の5人と、少年野球チームに所属する3人に分かれた。初心者チームは3点先取、5アウトチェンジのハンディキャップ付きだ。テニスボールを金属バットで打つ。「チーム分けとかルールとか、子どもたちがどんどん決めていくんですよね」と植松さん。人数が少ない分、こまめに作戦会議をして守備位置を工夫する。ルールがわからない子には、わかる子がその場で教えていた。

 二回を終えて3対6。ここで休憩を入れ、初心者の子どもたちにティーバッティングの練習をさせた。すると試合再開後に3点を取り、あっという間に6対6の同点。最後は経験者チームが3点を奪い、意地を見せた。みんなでグラウンド整備をしてあっという間の1時間半が終わった。

 この日初参加した小3の稲葉大和さん(8)は最初は空振りが多かったが、「最後は(出塁して)三塁まで行けた。またやりたい」と興奮。母の智馨(ちか)さんは「野球チームは土日ともつぶれるイメージがあり、なかなか入団しづらいが、野球は大好き。いろんな経験をさせたかったので、来て良かった」と目を細めた。

初心者でもやりやすい環境を

 植松さんは大教大池田高、筑波大で硬式野球部に所属。スポーツ経営学を専攻し、大学院を修了した。千葉県内のNPOで子どもの運動教室の指導などに携わった後、同県松戸市や大阪府池田市で小学校教師として勤務。「初心者でも野球をやりやすい環境を作りたい」と2019年に北摂BAを設立し、野球教室とイベントを軸に活動を始めた。野球場開放は5月から毎週水曜午後に開催し、月会費1000円、年間保険料800円。知人らがアルバイトなどで協力し、AED(自動体外式除細動器)も備える。

 野球離れには、少年野球界の実情が背景にある。チームに入団すれば体力や規律などが身につくが、一般的に拘束時間が長いため家族だけの時間が減り、中学受験との両立も難しい。「できる子」に頼ったチーム作りが出場機会の偏重を生み、けがを誘発し、「できない子」の不満につながる。こうしてイメージが悪化し、入団が敬遠される。

 公園でのキャッチボール禁止で、昔のような「自由な野球遊び」はできない。植松さんは「チームで本格的に取り組むか、全くやらないか、二極化している」ととらえ、その間をつなぐ活動に価値を見いだした。小3の正本大知さん(8)は土日は英語教室や野外活動で忙しいが、野球もやりたい。母有子さんは「平日に野球を楽しめる場を探していた。初心者でも入りやすいのがありがたい。これくらいの費用なら参加できる」と話す。

 現在の会員は野球教室と野球場開放合わせて約20人で、植松さんは手応えを感じている。少年野球チームを見学し、会員の子どもたちのチーム選びに情報提供することも考えている。そして次のステップは、チームに所属できなくても野球をしたい大人たちを募り、試合や大会を開くこと。その先には、北摂地域での軟式プロ野球リーグ運営がある。「野球少年の目標となるようなリーグにしたい」。子どもから大人まで楽しめる新たな野球環境の誕生を目指し、着々と歩を進めている。【福田隆】

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