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余録

鉄道好きに「乗り鉄」「撮り鉄」は多いが…

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 鉄道好きに「乗り鉄」「撮り鉄」は多いが、「描き鉄」は知らなかった。兵庫県在住の本岡秀則さん(42)はそんな一人だ。東京都内で最近、開かれた美術展で、その作品「電車」に出合った▲東京五輪・パラリンピックの関連行事「アール・ブリュット2020特別展」。アール・ブリュットは専門の美術教育を受けていない人による独創的で自由な作品のことで、フランス語で「生(き)の芸術」を意味する。知的障害や精神障害、発達障害のある作家も多い▲本岡さんの作品は、電車の「顔」にあたる前面からの姿が、縦横数センチの小ささで1台ずつ色鉛筆で描かれ、およそ500台が画面に押しずしのように並ぶ。それぞれ異なり、目を凝らすと違った行き先や「準急」「快速」などの文字が見える。ご本人は「阪急電車の何々系の車番○○」などと説明するという▲国内外18人の作品が、楽しく解放的な気分にさせてくれるのは、作家たちが生きることの発露のようにして創作しているのが、伝わってくるからだろう▲1945年にアール・ブリュットの概念を提唱したフランスの画家ジャン・デュビュッフェは、元ワイン卸商で41歳で画家に転じた異色の経歴の持ち主。アートディレクターの小林瑞恵さん(40)によると、「添加物のない自然な辛口のシャンパンをブリュット・ナチュールと呼ぶことから、彼はブリュットという言葉を着想したようだ」という▲既成概念に縛られないなまの表現は、人間の多様性と可能性を伝えて余りある。

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