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社説

災害ボランティア 支援は感染防止と両立で

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 九州を中心とした豪雨の被災地で、災害ボランティアの募集を地元の県内などに限定する措置が取られている。新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐためだ。

 だが、被災家屋の片付けなどで人手が不足している地域もある。最も被害が大きい熊本県では、住宅被害が8000棟以上に及ぶ。多くの人が避難所に身を寄せており、避難生活の長期化が心身に与える影響も懸念される。

 このままでは地域の復旧・復興に遅れが生じかねない。

 募集範囲の制限は、全国社会福祉協議会がコロナ下での災害ボランティアセンターの運営に関して公表した指針に沿ったものだ。

 ほかにも、健康状態の報告を参加の条件としたり、不特定多数の人が詰めかけないように事前登録制を導入したりする対策を示している。

 感染防止策は重要だ。しかし、国、自治体、ボランティア団体などが協力し、より幅広い支援を安全に受けられる仕組みをつくる必要があるのではないか。

 たとえば、県外からはリーダー格の人材に絞って参加を募るのも選択肢だ。経験豊富なボランティアのノウハウは活用したい。

 募集範囲を近隣県などに広げたうえで、被災者と接する機会が多い業務については携わるボランティアを限定し、感染防止を徹底する方法もある。

 PCR検査の実施を前提に、県外からも受け入れるべきだという声もある。ただし、地元の検査体制だけでは対応できない。どこが実施主体となって費用を負担するかを含め、支援のあり方を検討する必要がある。

 高齢化や人口減少で、災害時に自助、共助が機能しなくなり、行政による公助の限界も指摘されるようになった。その中で災害ボランティアは存在感を増してきた。

 だが、コロナ下においてボランティア頼みには限界がある。この機会に、自治体間の相互支援体制を強化するなど公助のあり方も見直すべきだ。

 コロナの収束が見通せない中で、台風や地震など別の災害もどこで起きるか分からない。

 災害時に感染拡大を防ぎながら、早期の生活再建を後押しできる環境を整えなければならない。

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