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ALS嘱託殺人 「安楽死」論議と結びつけるべきではない 安藤泰至・鳥取大医学部准教授

山本直樹容疑者を乗せ、京都府警中京署に入る車両=京都市中京区で2020年7月23日、川平愛撮影

 全身の筋肉が動かなくなっていく難病の筋萎縮性側索硬化症(ALS)の患者だった女性(51)に薬物を投与して死なせたとして、嘱託殺人の疑いで医師2人が京都府警に逮捕された。一部政治家などからは、安楽死や尊厳死の法整備論議を求める声も出ているが、生命倫理や死生学を専門とする安藤泰至・鳥取大医学部准教授(59)は、「治療を担当してもいない患者を殺すのは、安楽死ではない」と述べ、今回の事件を安楽死の是非についての議論に結びつけることに懸念を示す。【大迫麻記子/統合デジタル取材センター】

 ――今回の事件を受け、安楽死や尊厳死について法整備を議論すべきだとの声も出ています。このことについて、どう感じますか。

 ◆この事件を直接に安楽死や尊厳死の是非についての議論に結びつけることに、私は違和感があります。

 というのも、今回の女性の死は安楽死と言えないのに、議論をすることで安楽死と受け止められてしまわないかと危惧するからです。

 日本では安楽死は合法化されてはいませんが、1962年の名古屋高裁、95年の横浜地裁の判決で、要件を満たした場合は、患者を死なせても違法性が阻却されるという司法判断が出ています。しかしこれは、医師がまず、患者の苦痛緩和に手を尽くすことが前提になっています。今回の場合、2人の医師はこの患者の治療者ではありませんでした…

この記事は有料記事です。

残り1568文字(全文2136文字)

大迫麻記子

1999年入社。暮らしや経済、文化・スポーツを中心に、徹底したユーザー目線で「今」を伝えます。

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