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はやぶさ2 小惑星に人工クレーター作ったプロジェクトエンジニアがウェブ講演会

小惑星探査機「はやぶさ2」の衝突装置を使った人工クレーター生成実験について解説する佐伯孝尚・はやぶさ2プロジェクトエンジニア=はまぎんこども宇宙科学館のユーチューブチャンネルから

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 探査機「はやぶさ2」が小惑星にクレーターを造った衝突装置を開発した佐伯孝尚・はやぶさ2プロジェクトエンジニアが25日、はまぎんこども宇宙科学館(横浜市磯子区)のウェブ講演会に登場した。佐伯さんは「打ち上げ前から心配ばかりだったが、最終的には本当にうまくいった。クレーターができた瞬間の写真を見たときは『天からのプレゼント』と思うくらいうれしかった」と、当時を振り返った。

 衝突装置を使って小惑星に人工クレーターを造る実験は世界初の挑戦で、リュウグウ探査のクライマックスだった。佐伯さんは、この実験について「野望、つまり身のほどを超えた大きな望みといえるほど非常に難しい技術だった」と解説した。

 地上実験の際、砂の山に計画通り銅の球をぶつけることに成功したものの、大きなくぼみができず、「本当に大丈夫だろうか」と心配になったという。さらに爆薬が5キロ近く入っているため、鹿児島・種子島からだった「打ち上げも(爆発したらどうしようと)心配だった」と話した。

 予想外だったのは、小惑星リュウグウがどこも岩で覆われ、着陸に適した平らなところがなかったことだった。先代のはやぶさが訪れた小惑星イトカワを見ていたため「どこか1カ所くらいは平らなところがあるだろうと思っていたが、『どこにも降りる(着陸する)ところがない』という状況だった」という。

視聴者からの質問に笑顔で答える佐伯孝尚・はやぶさ2プロジェクトエンジニア=はまぎんこども宇宙科学館のユーチューブチャンネルから

 しかしプロジェクトチームはあきらめず、探査機を誘導する精度を向上させ、2019年2月に最初の着陸に成功。そして同4月に衝突装置が出番を迎えた。衝突装置の運用では、探査機が爆発した装置の破片にぶつからないように小惑星の陰に隠れなければならない。そのときの心境について「私は心配性なので、何か起きたときのプランを事前にとんでもない数を考えた。当初は、探査機が無事であれば十分と思っていたが、探査機の無事が分かった瞬間、『衝突装置はうまくいっただろうか』と胃がキリキリと痛んだ。ここが一番つらく、地獄のような時間だった」と明かした。

 その後、分離した小型カメラから、衝突装置によってクレーターが造られた様子が分かる画像が届き、成功が確認されると涙があふれたという。衝突装置がぶつかったのは狙った場所からわずか20メートルの場所。大きなクレーターが確認され、「本当にうまくいった」と振り返った。

 はやぶさ2はその後、クレーター近くの小惑星内部の噴出物が積もっているとみられる場所に着陸することに成功し、小惑星内部の物質を世界で初めて採取できたとみられている。佐伯さんは「はやぶさ2は今年12月6日に地球へ帰還する予定で、ようやくゴールが見えてきた。宇宙のミッションはアイデア次第で面白くなる。若い皆さんも柔軟な頭で、『こんなミッションをやってみたいな』と考えてみてほしい」と呼びかけた。【永山悦子】

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