まず新START延長を スティーブン・パイファー 米スタンフォード大国際安全保障協力センター特別研究員
毎日新聞
2020/7/26 東京朝刊
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米国とロシアが6月にウィーンで軍備管理に関する高官協議を始めた。2021年2月に期限を迎える米露の新戦略兵器削減条約(新START)延長問題などを議論したのは歓迎すべきことだ。しかし、米国は延長ではなく、新たに中国を加えた包括的な核軍縮体制の構築を主張しており、その達成は非常に困難だ。
米露両国に中国を含めた枠組みが望ましいのは間違いない。ただ、中国の核弾頭数は世界の9割を占める米露に比べて圧倒的に少ない。米露が中国のレベルまで削減するのは現実的ではない。中国が米露のレベルまで増強するのを両国が容認することもあり得ない。
それにもかかわらず、トランプ米政権は3カ国の枠組みについて何ら具体的な提案をしていない。中国は一貫して協議への参加を拒否している。不均衡な軍縮体制に興味を示さないのは当然だろう。
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