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「やばいです」救助要請に身動きできなかった熊本の消防本部 その時何が?

豪雨で浸水した緊急車両=人吉下球磨消防組合消防本部提供

 九州などを襲った記録的な豪雨で死者が45人に上った熊本県人吉市、球磨村を管轄する人吉下球磨消防組合消防本部(人吉市)。1級河川・球磨川の氾濫前後の4日未明から早朝にかけて、400件超の119番が殺到した。「先ほど救助をお願いしていたのですが、まだですか」「どうにかなりませんか。助けてやってください」。刻々と状況が変わる中、消防本部で何が起きていたのか――。

 「水が流れて家が崩れてきている」。4日最初の119番は午前2時9分。人吉市に隣接する錦町からの入電だった。そのころ、降り続く雨で球磨川の水位は急激に上昇を続け、氾濫危険レベルを超えた午前3時ごろからは緊迫した通報が相次ぐようになった。

 「生き埋めが発生しているようです。道路が水没して軽自動車が突っ込んでいる」(午前3時54分、球磨村)「球磨川ドライブインの前だが、土砂の流出で車両の通行ができない」(午前4時、球磨村)「車が水没して動けない。車の中にいます」(午前4時1分、球磨村)

 人吉下球磨消防組合消防本部のトップ、深江政友消防長(60)が、人吉市中心部にある消防本部に着いたのは午前2時半ごろ。「国土交通省のデータを確認していると、球磨川の水位がどんどん上がるのでまずいと感じた」。球磨川が氾濫危険水位(3・4メートル)に達し、人吉市全域に水害の避難勧告が出されたのが午前4時。気象庁が午前4時50分に大雨特別警報を出し、その25分後の午前5時15分に市は全域の3万2266人に避難指示を発令した。

 対応に追われる中、午前5時を過ぎると人吉市内からの救助要請が相次いだ。「屋根裏にいる。まだですか」「来てください。足の悪い母がいます」「大至急急いでください。ベッドの上に乗っている。2人です」。繰り返して救助を求める人も増え「1秒の間もなく119番通報が入るパンク状態」(深江消防長)に。消防本部の一般電話にも直接助けを求める電話が入り、全ての要請に対応できない状態に陥っていった。

 だが、その頃には消防本部も危機的状況にあった。救助に向かった消防車両は人吉市内で水没して身動き…

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