難民として父親と共にバングラデシュからフランスに渡った8歳の少年、ファヒム。師や仲間と出会い、さまざまな困難を乗り越えてチェスのフランス王者を目指します。ただこの映画、おとぎ話のような少年の成功物語ではありません。彼の才能を見いだし、伸ばし、支えた人々の物語です。その人たちにも、彼を応援するそれぞれの背景が。ファヒムの師とライバルの師との確執。嫉妬、恨み、嫌悪。そんな負の感情が力となり、そして昇華されていく姿に心が揺さぶられます。
さて、実話に基づいたこの映画では、言葉や習慣など異文化に順応していくファヒムに対し、そうしたことに消極的な父親の葛藤が描かれます。これは、「コロナ禍」と言われ、「新しい生活様式」を突き付けられている私たちの現状とも重なります。フランスの価値観か、母国の価値観か。生活様式の刷新か、否か。私たちは「右か左か」でいつも苦しみますが、果たしてそんな二項対立の話なのでしょうか。
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