メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

余録

「困難な時は足元を見ず、星を見上げよう」…

[PR]

 「困難な時は足元を見ず、星を見上げよう」。先年亡くなった宇宙物理学者ホーキング博士の言葉である。だがその博士も筋萎縮性側索硬化症(きんいしゅくせいそくさくこうかしょう)(ALS)で余命2年と告げられた時には鬱(うつ)に陥ったという▲21歳の時だが、後年、70歳を迎えた博士は述べた。「49年間死と隣り合わせに生きてきた。死を恐れてないし、急いでもない。やりたいことがたくさんあるからね」。亡くなった51歳のALS女性患者にもそんな日を迎えてほしかった▲声が出ず、手も動かせなくなっていたALS患者、林優里(はやし・ゆり)さんは昨年11月、自宅を訪れた2人の男に薬物を投与され死亡したとされる。警察は2人の医師を逮捕、病状を悲観した林さんに依頼されての嘱託殺人の疑いで捜査している▲「安楽死はじめました。いくらなら払う?」とは医師の1人と見られる人物が会員制交流サイト(SNS)に掲げた言葉という。この人物はかねて証拠の残らない安楽死の方法は売れるかなどと、それをビジネスのように記していた▲安楽死といえば終末期医療や死の自己決定をめぐる論議が思い浮かぶが、この事件の場合は主治医どころか患者と面識もない医師による金銭を受け取っての殺害という容疑である。生命倫理をめぐるまともな議論と無縁の所業だろう▲先の医師は、「高齢者を『枯らす』技術」と題し、高齢者医療を社会の無駄とする議論もくり広げていた。他人の命にかかわる職業につけたのは何かの間違いではないのか。そう思わせる言葉遣いがおぞましい。

おすすめ記事
広告
毎日新聞のアカウント
ピックアップ
話題の記事

アクセスランキング

毎時01分更新

  1. 家族で登山中に行方不明の小6男児を無事発見 新潟・上越

  2. 「#FreeAgnes」 日本からも周庭氏逮捕への抗議続々

  3. 東京から青森に帰省したら中傷ビラ 「こんなものが来るとは」

  4. 東海道線、横須賀線、事故で一時運転見合わせ JR東日本

  5. 母の呼び掛けにやぶから声 「斜面を滑り落ち動かずじっと」 新潟小6男児保護

編集部のオススメ記事

のマークについて

今週のおすすめ
毎日新聞社は、東京2020大会のオフィシャルパートナーです