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第80期名人戦

渡辺明名人に斎藤慎太郎八段が挑戦する第80期名人戦を特集します。棋譜中継は「棋譜・対局結果」からご覧いただけます。

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第78期名人戦七番勝負 豊島将之名人-挑戦者・渡辺明王将 第3局の8

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マスクはいらない 観戦記・上地隆蔵

 豊島の[先]4四金~[先]3五歩(図)はスピードアップの手筋だが、駒を回収し切れていない。控室の棋士たちは感触の悪さを感じ取っていた。

 休憩後、渡辺は[後]8七銀~[後]8八角と非常手段で追った。要所の角を消せば、[後]3五銀と幸便に手を戻せる。

 切迫した終盤戦。静寂な室内で、加湿器がスーっと音を立てている。扇子の開閉の音も響く。豊島はすでにマスクを外していた。しばらくして渡辺もマスクを外した。思考の邪魔、つけてらんない! 2人とも息苦しさから逃れて盤上に集中した。

 渡辺は[後]6六角成と取った。ただし先に[後]4七歩と利かすのも有力だったという。本譜の[後]4七歩はもう入らなかった。豊島は馬取りも、タタキもすべて無視して、[先]4三飛と打ち込んだ。

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