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身近な有機フッ素化合物  「有害」で規制強化へ 代替物質なく対応苦慮

出火した航空機エンジンの周囲に残る泡消火剤。PFOSなどを含む泡消火剤は航空機事故などで使用されている=羽田空港上空で2016年5月27日、梅村直承撮影

 在日米軍基地や工場周辺の地下水などが、発がん性も指摘される有機フッ素化合物のPFOS(ペルフルオロオクタンスルホン酸)とPFOA(ペルフルオロオクタン酸)に汚染されている実態が環境省の全国調査で明らかになった。国はPFOS、PFOAについて規制を強化する方針だが、課題は山積する。【鈴木理之、信田真由美】

 環境省が6月に公表した、全国計171地点の地下水などの調査結果によると、PFOS、PFOAの含有量は1都2府10県の37地点で国の暫定的な目標値(1リットル当たり50ナノグラム)=ナノは10億分の1=を超えた。最も高い大阪府摂津市の地下水からは目標値の約37倍の1855ナノグラムを検出。化学メーカーの工場などが集まる首都圏や阪神地域などのほか、普天間飛行場(沖縄県)など泡消火剤を保管する米軍基地周辺地域にある川や湧水(ゆうすい)などで汚染が目立った。

 PFOS、PFOAを含む素材は化学的に安定し水や油をはじく性質を持つことから、焦げ付かないフライパンといった調理器具や泡消火剤、半導体などに使われてきた。中でも泡消火剤は少量でも短時間で消火できる「最強の消火剤」(業界関係者)とされる。

 ところが、長期間にわたって環境中に残存する有機汚染物質などを規制するストックホルム条約の締約国会議は2009年、PFOSの製造や使用、輸入の制限を決定。PFOAも19年に物質そのものの利用を原則禁止することを決めた。

 国内では化学物質審査規制法(化審法)で18年からPFOSの製造・輸入を全ての用途で禁止に。PFOAについても、政府は今年度内にも同様の措置を取る方向で検討している。しかしこれまでに出回った製品の使用を制限する法律や規制はなく、代替物質がない製造済みの一部製品は、廃棄せず使い続けることになる。

 特に、泡消火剤は代替物質がなく、消火活動に支障が出る恐れもある。ある大手消火剤メーカーは「これほど消火に優れた物質はなく、代替できる物質の開発も進んでいない。非常時のためにも規制さ…

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