カギは「流域治水」と「事前放流」 豪雨時代の新たな治水政策の課題は

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球磨川が氾濫し浸水した住宅。川の流域にあり、命へ危険を及ぼす可能性が高いエリアにある住宅は今後、安全な地域への移転も促される=熊本県球磨村で2020年7月4日午前11時43分、本社ヘリから田鍋公也撮影
球磨川が氾濫し浸水した住宅。川の流域にあり、命へ危険を及ぼす可能性が高いエリアにある住宅は今後、安全な地域への移転も促される=熊本県球磨村で2020年7月4日午前11時43分、本社ヘリから田鍋公也撮影

 7月の豪雨で相次いだような川の氾濫が、毎年のように日本列島を襲う。降水量が増え、堤防やダムだけでは対応しきれていないからだ。このため国は、従来の治水政策を見直す。浸水エリアからの住宅移転や、ビル地下での貯水施設整備といった民間の協力を求める「流域治水」にかじを切り、利水ダムの「事前放流」をはじめとした新たな対策を進める。だが課題は多く、実効性は未知数だ。

予測しにくい降水量、予算の壁も

 九州で猛烈な雨が降っていた7月6日。東京・霞が関の庁舎会議室に、赤羽一嘉国土交通相ら国交省幹部が集まり、新たな防災・減災施策を取りまとめた。その主要項目の最初に「あらゆる関係者により流域全体で行う『流域治水』へ転換する」との方針が明記された。

 急勾配の川が多い日本は、大雨になると川の流れが一気に強まり、洪水になるリスクが高い。その防止に中心的な役割を担ってきたのがダムや堤防だ。だが、ダムの貯水容量や堤防の高さは過去の降水量を基にし…

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