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共生社会はいま

相模原殺傷事件から4年 命に点数つけないで 東大先端科学技術研究センター教授・福島智さん /神奈川

指点字の通訳者を介して話す福島智教授(右)=東京都目黒区で

 事件から4年がたつが私たちはちっとも成長していない。

 私は2018年9月に植松聖死刑囚(30)に接見した。多く報道されているように、比較的礼儀正しい、どこにでもいる普通の青年という印象だった。

 接見で彼は、私が以前どこかのメディアで紹介した本を気に入ったと言っていた。知的障害者が手術を受けて天才になり、その後また手術前のような状態に戻るというストーリーで、彼が気に入ったというのは不思議で仕方なかった。重度障害者は人間ではないと言いながら、知的障害者の悲しみや他者との人間関係の描写がある本をなぜ気に入るのだろうと。いろいろな解釈があるかもしれないが私は、天才になった主人公が周囲を見返す様子に彼が共鳴しているように見えた。

 この価値観は事件にもつながる。彼は自己肯定感が低く、他者を否定することで彼らとは違う自分を相対的に上位に立たせていた。生きるか死ぬかの境界線を伴うギリギリのところで他者の存在を否定して、自分は生きて良いと思うことで自己肯定感を引き上げることができたのだろう。

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