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社説

「点字毎日」5000号 信頼される情報を今後も

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 毎日新聞社が発行する日本唯一の週刊点字新聞「点字毎日」が通巻5000号を迎えた。1世紀近くにわたり、視覚障害のある読者らに情報を提供し続け、「点毎」の愛称で親しまれている。

 創刊は、日本でまだラジオ放送も始まっていなかった1922年。英国に留学していた記者が、弱視の貿易商から点字新聞発行を提案されたのがきっかけだ。以来、第二次世界大戦中の用紙不足や阪神大震災などの災害による混乱を乗り越えてきた。

 発行媒体は多岐にわたる。音声版や、視力の弱い人や家族、支援者らが読むための活字版もある。点字教科書の製作や盲学校弁論大会の開催など、さまざまな事業も手がけてきた。

 とりわけ力を注いできたのが、視覚障害者が選挙権を行使できるようにする取り組みだ。創刊数年後から、紙面で各地の視覚障害者の切実な訴えや精力的な活動を報じ、選挙での点字投票導入の必要性を訴え続けた。

 普通選挙法の成立で点字投票が認められると、点字模擬投票を実施し、周知に努めた。

 実際に点字投票が行われたのは28年の衆院選だ。国政選挙での点字投票は、世界初だった。選挙を前に、点字を知らない選挙係員のために4万枚の点字一覧表が無料で配布された。自ら使える文字による投票は、視覚障害者に民主社会への参加の扉を開いた。

 近年は点字投票のための情報提供にも取り組む。2004年の参院選からは、候補者の経歴や政見を掲載した選挙公報の全文を点字に直した号外を発行している。

 昨年の参院選では、他の点字出版団体と協力して、比例代表は全ての都道府県で、選挙区は27都道府県で、号外を届けた。

 18年にはジャーナリズムの向上と発展につながる活動に贈られる「日本記者クラブ賞特別賞」を受賞した。

 視覚障害者の世界もIT化が進み、ネットで情報を得る人も少なくない。だが、指先で一文字ずつじっくり確かめられる点字の重要性は変わらない。

 新型コロナウイルス感染拡大が続く中、これからも視覚障害者に寄り添いながら、信頼される情報を届けていきたい。

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